田所昌幸

田所 昌幸（たどころ まさゆき）について

田所 昌幸氏は、1956年5月27日生まれの日本の国際政治学者で、国際大学の大学院国際関係学研究科で特任教授として活動しています。また、慶應義塾大学法学部の名誉教授でもあり、彼の専門は国際政治学です。大阪府の出身です。

学歴

田所氏は1979年に京都大学法学部を卒業しました。ここでは高坂正堯教授に師事し、1981年には同大学院の法学研究科で修士課程を修了しました。1983年にはイギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを修了し、1984年には京都大学大学院法学研究科の博士後期課程を中途退学しました。その後、1998年に京都大学から法学の博士号を取得し、学位論文「国連財政 -予算面から見た国連の実像」を発表しました。

研究歴

田所氏の研究キャリアは、1984年に京都大学法学部で助手としてスタートしましたが、1987年には同大学を退職し、姫路獨協大学法学部で助教授（その後教授）職に就きました。その後、1988年から1989年にかけてジョンズ・ホプキンズ大学SAISで客員研究員としての経験を経て、1991年にはピッツバーグ大学ジョーンズタウン校の客員教授となりました。

1993年から1994年にはニューヨーク市立大学の国連研究所で客員研究員として活動し、1997年には姫路獨協大学を退職し、防衛大学校の教授に就任しました。2002年に同大学校を退職し、慶應義塾大学法学部の教授としてその後のキャリアを重ね、2022年には国際大学大学院国際関係学研究科の特任教授に就任しました。

著書

田所氏は多くの著作を執筆しており、その中でも特に注目されるのは以下の作品です。

• - 『国連財政――予算から見た国連の実像』（有斐閣, 1996年）
• - 『「アメリカ」を超えたドル――金融グローバリゼーションと通貨外交』（中央公論新社, 2001年、サントリー学芸賞受賞）
• - 『国際政治経済学』（名古屋大学出版会, 2008年、政治研究櫻田會奨励賞受賞）
• - 『越境の国際政治　国境を越える人々と国家間関係』（有斐閣, 2018年）

さらに、彼は共著や編著も手掛けており、次のような作品があります。

• - 『外国人特派員――こうして日本イメージは形成される』（1998年）
• - 『台頭するインド・中国――相互作用と戦略的意義』（千倉書房, 2015年）
• - 『新しい地政学』（東洋経済新報社、2020年）

翻訳書

田所氏は翻訳にも携わっており、以下の作品を日本語に訳しています。

• - レイモン・アロン『世紀末の国際関係――アロンの最後のメッセージ』（昭和堂, 1986年）
• - ジェームズ・メイヨール『世界政治――進歩と限界』（勁草書房、2009年）

これらの業績から、田所昌幸氏は国際政治学における重要な研究者の一人として認識されており、彼の著作は現在の国際情勢を理解する上での貴重なリソースとなっています。

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