田村彰敏

田村 彰敏

1980年5月31日生まれ、兵庫県西脇市出身の元総合格闘家です。総合格闘技津田沼道場に所属し、そのキャリアを通じて修斗世界フェザー級王者という実績を残しました。

格闘技との出会いは、習志野高校時代の柔道部に遡ります。高校卒業後の18歳で総合格闘技の練習を開始し、アマチュアの舞台でその才能を発揮しました。

2000年にはアマチュア修斗東日本オープントーナメントのライト級で準優勝。同年9月の全日本選手権ライト級では、準決勝で山本KID徳郁氏と対戦し判定で敗れたものの3位に入賞。この実績により、プロ昇格を果たします。そして、2001年4月8日にプロ修斗デビューを飾りました。

プロキャリア初期には、ミャンマーの伝統格闘技であるラウェイにも挑戦。2004年7月10日、ヤンゴンで開催された大会でエー・ボー・セインと対戦し、4ラウンドに顎への左膝蹴りによる鮮烈なノックアウト勝利を収め、その名を国際的にも知らしめました。

修斗のリングでは着実に実力をつけ、タイトル戦線に浮上します。2007年2月17日、環太平洋ライト級（現在のフェザー級）王座決定戦で不死身夜天慶氏と対戦。判定3-0で勝利し、第2代王者となります。さらに同年5月18日には、修斗世界ライト級（同フェザー級）タイトルマッチで王者リオン武氏に挑み、こちらも判定3-0で勝利。第6代世界王座を獲得し、修斗の頂点に立ちました。

世界王者として迎えた2008年3月28日の初防衛戦では、挑戦者・門脇英基氏に判定0-2で敗れ、王座を失います。しかし同年5月3日には、修斗のレジェンドである佐藤ルミナ氏との注目の一戦が実現。田村氏はノースサウスチョークによる一本勝ちを収め、大きなインパクトを残しました。

2008年末には、世界のトップリーグであるWEC（World Extreme Cagefighting）へ挑戦。12月3日のWEC 37でヴァグネイ・ファビアーノ氏と対戦しますが、肩固めにより一本負けを喫しました。続く2009年4月5日のWEC 40ではバンタム級に階級を移し、マニー・タピア氏に判定3-0で勝利。WECでの初勝利を挙げます。しかし、2010年1月10日のWEC 46でチャーリー・ヴァレンシア氏に判定1-2で敗れ、WECでの戦績を1勝2敗とし、リリースされることとなりました。

WEC離脱後は再び日本のリングへ。2010年5月30日には修斗で上田将勝氏と対戦するも判定負け。同年10月30日にはSRC（戦極）に初参戦し、SRCバンタム級ASIAトーナメントに出場。シード選手として準々決勝で佐藤将光氏に判定勝利しますが、12月30日の準決勝では中原太陽氏との対戦中に放った右インローが3度のローブローと判定され、無念の失格負けとなりました。

その後も活動を続け、2014年5月11日にはパンクラスに初出場。PANCRASE 258で宮路智之氏に判定勝利を収めるなど、国内主要団体で戦い続けました。

現役時代の終盤、2017年2月5日のPANCRASE 284での試合後、急性硬膜下血腫を発症し緊急手術を受けていたことが、同年4月22日に明らかになりました。このことを受け、田村氏は現役引退を発表。長きにわたる格闘家人生に幕を下ろしました。

2018年3月25日、かつて頂点を極めた舞台である修斗の後楽園ホール大会で、多くの関係者やファンに見守られながら引退式が執り行われました。

格闘家としての顔を持つ一方で、現役時代から理学療法士としても活動していたことは、彼の人物像を語る上で特筆すべき点です。二足の草鞋を履きながら、国内外の過酷なリングで戦い抜いた「鉄人」田村彰敏。そのキャリアは、多くの格闘家やファンに勇気と感動を与えました。

獲得タイトル

東日本アマチュア修斗選手権 ライト級 準優勝（2000年）
全日本アマチュア修斗選手権 ライト級 3位（2000年）
第2代修斗環太平洋ライト級王座（2007年）
第6代修斗世界ライト級王座（2007年）

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