田沼意行

田沼意行

田沼意行（たぬま おきゆき/もとゆき、貞享3年（1686年） - 享保19年12月18日（1735年1月11日））は、江戸時代中期の紀州藩士であり、後に幕臣（旗本）となった人物です。田沼義房の子として生まれ、田沼意次、意誠、意満兄弟の父としても知られています。

生涯

意行は紀州藩の足軽の子として生まれました。父の義房（意房とも）が病に倒れ、紀州藩の禄を離れて和歌山城下で静養することになったため、意行は田代七右衛門高近（紀州藩家臣）に養育されることになり、後にその娘婿となりました。

紀州藩に仕官後、部屋住みで主税頭と称していた頃の徳川吉宗に仕え、その側近として活動しました。宝永2年（1705年）に吉宗が紀州藩主となると、奥小姓を務めました。享保元年（1716年）に吉宗が将軍に就任した際、200人以上の紀州藩士が幕臣に編入され、特に側近に配置されました。意行もその一人として将軍小姓に召し出され、幕府旗本に列することとなりました。29歳の時に300俵を与えられました。享保4年（1719年）7月27日には、後に幕府老中となる子の田沼意次が誕生しています。

享保9年（1724年）11月には、従五位下主殿頭（小姓上位者の通例である諸大夫への任官）に叙任され、享保18年（1733年）9月には300石を与えられました。それまで支給されていた切米も石高に改められ、相模国高座大住郡に600石を賜りました。享保19年（1734年）8月には小納戸頭取に就任しましたが、同年12月18日に49歳で死去しました。田沼家の家督は意次の手によって継承されました。

吉宗の将軍就任に伴い、紀州藩から江戸幕府へ組み入れられた同僚には、同期で家重付になった藪忠通（後に御側御用取次）や、吉宗小姓になった岩本正房などがいます。

系譜

父：田沼義房
母：不詳
妻：田代高近養女・辰
長男：田沼意次
次男：田沼意誠
三男：田沼意満（文助）- 延享4年（1747年）に夭折。

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