田耕莘

田耕莘（でん こうしん）について

田耕莘（Thomas Tien Ken-Sin, S.V.D.）は、1890年10月24日に中国の山東省陽穀県で生まれ、1967年7月24日に台北で逝去した著名なカトリック聖職者です。彼は神言会のメンバーであり、アジア出身の枢機卿として初めて任命されました。洗礼名は「トマス」で、1960年代までの中国カトリック界において重要な地位を築きました。

生い立ちと教育

田耕莘は幼少期に貧しい家庭に生まれました。父親を早逝したこともあり、彼は神言会士の福若瑟神父のもとで育てられ、イエス・キリスト教の教えに影響を受けて成長しました。11歳の頃に洗礼を受けた後、兗州の修道院に入りました。1918年には神言会の司祭に叙階されて、カトリックの奉仕の道を歩み始めました。

神言会入会と司教任命

田耕莘は1929年にオランダで神言会に入会し、1931年には終生誓願を立てました。その後、中国での様々な宗教活動に従事し、1939年には陽穀の代牧司教に任命されました。彼は教皇ピオ12世により1946年にカトリック北京大司教に指名され、その際、極東出身者として初めて枢機卿に挙げられました。このように、彼はカトリック教会の中で重要な役割を果たしました。

アジアのカトリック教会の発展

田耕莘は、カトリックの教義を広めるために教育にも力を入れました。特に、台湾に渡った後は輔仁大学の初代理事長として教育の再興に尽力しました。彼はカトリック教育の重要性を認識しており、台湾における教育機関の発展に大きく貢献しました。

また、1949年にはアメリカ・シカゴへ移住し、避難していたカトリックの教区を支える役割も果たしました。彼は教皇ヨハネ23世の死去時に再びコンクラーヴェに参加し、教会の指導者としての影響力を維持し続けました。

引退と晩年

1966年には台北大司教区の管理者を引退し、嘉義市の神言会修道院で静かな晩年を過ごしました。その後、入院先の中華聖母伝宣教修道女会聖マルティン病院にて病に倒れ、1967年に生涯を閉じました。

記念と影響

田耕莘の功績は、台湾新北市新店区にある天主教耕莘医院などによって現在も称えられています。彼の生涯は、信仰と教育の発展に尽力した人物の象徴です。彼の業績は、多くの人々に影響を与え続けており、カトリック教会のアジアにおける歴史的なマイルストーンを築きました。

このように、田耕莘は宗教的な使命を全うしただけでなく、教育と信仰をもって多くの人々に奉仕し続けた偉大な存在でした。

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