田辺青蛙

田辺青蛙（たなべ せいあ）は、1982年生まれの日本の小説家です。大阪市都島区在住で、ペンネームは京田辺市と蛙に由来します。岡山県の刀鍛冶、備前長船の末裔というルーツを持っています。

略歴

大阪府で生まれ、十代後半をニュージーランドのオークランドで過ごしました。オークランド工科大学を卒業後、2006年に第4回ビーケーワン怪談大賞で「薫糖」が佳作入選し、『てのひら怪談』に掲載作家中最多となる5作品が収録されました。2007年には「吸血鬼/ヴァンパイア文学800・アート」夜想賞を『杏の血』、『七つの子』で受賞。2008年には第15回日本ホラー小説大賞短編賞を「生き屏風」で受賞するなど、数々の賞を受賞しています。

2010年には「みちのく怪談コンテスト」高橋克彦賞を「映写眼球」で受賞し、「一休とんち大賞」の審査員にも就任しました。2011年には再び「みちのく怪談コンテスト」で受賞し、第13回Sense of Gender賞の候補に『あめだま ――青蛙モノノケ語り』が選出されました。

また、「大阪てのひら怪談」の企画者（審査員：酉島伝法、牧野修、東雅夫、山下昇平）や、2018年には「東大阪ふるさと怪談」の企画者・審査員（田辺青蛙、東雅夫、門賀美央子）を務めるなど、怪談文化の振興にも力を入れています。

2023年1月からはYoutubeチャンネル『最強激こわチャンネル』を主催し、MBSポッドキャスト『田辺青蛙の奇妙探求』でレギュラー番組を担当しています。

人物

作家デビュー前には、雑誌『ようかいどうかわらばん』で、妖怪関係者へのインタビュー取材記事「青蛙の妖怪談義」を連載していました。コスプレを趣味としており、日本ホラー小説大賞の授賞パーティーでは、エヴァンゲリオンの綾波レイのプラグスーツ姿で登場し話題を呼びました。また、『しょこ♥リータ』の怪談イベントでは、ジョジョの奇妙な冒険のジョルノ・ジョバァーナのコスプレで怪談を語り、円城塔との結婚披露宴では碇シンジのコスプレを披露しました。現在、京都新聞でエッセイを連載する他、地方の怪談イベントにも出演しており、怪談番組「初耳怪談」の企画協力も行っています。

2010年には芥川賞作家の円城塔と結婚しています。

作品の特徴

田辺青蛙の作品は、民俗学的なモチーフを、独特の淡々とした現代的な筆致で幻想的に表現するのが特徴です。物語の構成においては、キーワードとなる単語をピックアップし、連想的に繋ぎ合わせて作品を仕上げています。ただし、この手法は長編には向いていないと語っています。また、自身のコスプレ趣味を活かした連載や、サブカルチャーに関するコラムの執筆も行っています。その独特な幻想美を湛えた作風は、穂村弘、佐藤弓生といった歌人たちからも高く評価されています。

著作

『生き屏風』（角川ホラー文庫、2008年10月）
『魂追い』（角川ホラー文庫、2009年12月）
『皐月鬼』（角川ホラー文庫、2010年12月）
『あめだま 青蛙モノノケ語り』（青土社、2013年12月）
『モルテンおいしいです^q^』（廣済堂出版、2014年12月）
『読書で離婚を考えた』（幻冬舎、2017年6月 / 幻冬舎文庫、2020年2月）円城塔との共著
『人魚の石』（徳間書店、2017年11月 / 徳間文庫、2020年3月）
『関西怪談』（竹書房怪談文庫、2020年2月）
『大阪怪談』（竹書房怪談文庫、2021年2月）
『大阪怪談人斬り』（竹書房怪談文庫、2022年5月）
『北海道怪談』（竹書房怪談文庫、2022年12月）
『致死量の友だち』（二見書房、2022年3月）
『紀州怪談』（竹書房怪談文庫、2023年）

共著

『てのひら怪談―ビーケーワン怪談大賞傑作選』（ポプラ社、2007年2月）
『てのひら怪談2―ビーケーワン怪談大賞傑作選』（ポプラ社、2007年12月）
『てのひら怪談 百怪繚乱篇―ビーケーワン怪談大賞傑作選』（ポプラ文庫、2008年6月）
『異形コレクション 憑依』（光文社文庫）
『NOVA 2---書き下ろし日本SFコレクション』(河出文庫、2010年7月）
『怪しき我が家』（ MF文庫ダ・ヴィンチ 、2011年2月）
『怪談実話 FKB饗宴』（竹書房文庫、2011年5月）
『怪談実話 FKB饗宴４』（竹書房文庫、2013年1月）
『FKB 恐怖女子会 火炎の呪』 (竹書房文庫、2013年11月)
『怪談実話系/妖 書き下ろし怪談文芸競作集』 (MF文庫ダ・ヴィンチ、2012年10月)
『怪談実話 FKB饗宴4』（竹書房文庫、2013年2月）
『怪談実話系/愛 書き下ろし怪談文芸競作集』 (MF文庫ダ・ヴィンチ、2013年11月)
鳥肌ゾーンシリーズ（ポプラ社、2012年10月～2014年2月）
『怪を編む』: ショートショート・アンソロジー　アミの会（仮(光文社文庫) 、２０１８年
『京都怪談 神隠し』（竹書房文庫、2019年7月）
『怪談四十九夜 鬼気』（竹書房文庫、2020年4月）
『瞬殺怪談　碌』（竹書房文庫、2020年7月）
『京都怪談猿の聲』（竹書房文庫2022年７月）
「関西の怖い街」（興陽館2023年1月）
「てのひら怪談」見てはいけない（ポプラ社2023年1月）

雑誌掲載作品

『小説すばる』2007年8月号、2008年8月号
『幽』Vol.6号、2008年vol.10号、vol.014第14号、Vol.20 2014年 02月号
『ノベルアクト』1（2010年9月）
『カドカワキャラクターズ ノベルアクト2』
『ノベルアクト3 カドカワキャラクターズ』
『ユリイカ』2011年3月号、2010年2月号、2009年11月号、2016年7月号、2017年11月号、2022年9月号
『仙台学vol.10』
『ミステリマガジン』水木しげる特集
『僕たちの好きな「指輪物語」』 別冊宝島編集部編
『別冊映画秘宝　ロード・オブ・ザ・リング&ホビット 中つ国サーガ読本』
『婦人公論』2020年9月8日号
『小説宝石』2021年9月号

ウェブ掲載作品

週刊てのひら怪談 - ポプラビーチ
妖怪小説家・田辺青蛙の「妖しき本棚」 - 日刊サイゾー、2009年11月 - 2010年10月
鳥人島 - 『YOMBAN』、2010年4月30日 - 不明
モルテンおいしいです^q^ - 全24回
「人形怪談」（幻冬舎Plus）連載中

インタビュー

『ダ・ヴィンチ』「第155号怪談界注目の新人、大集結！」
「幻妖ブックブログ」 田辺青蛙インタビュー 「生き屏風」が書かれるまで

過去の出演番組

NHK京都放送：ニュース610 「京いちにち」
KBS京都「京-biz W」
しょこ♥リータ「怪談グランプリ」2009
NHKネットクラブ 番組詳細（関西ラジオワイド）▽中継 ▽旬の人・時の人 出演
茶屋町怪談 女性怪談作家SP - MBSラジオ
茶屋町怪談　学術的夜話
北野誠のズバリ！　CBCラジオ2022年11月23日（木・祝）放送分
「語ル怪」（ファミリー劇場CLUB）
NHK「あやかしラヂオ」
オカルトエンタメ大学：「緊急検証！怪運・呪物鑑定團」
田中俊行のオカルトコレクション11
怪談のシーハナ聞かせてよ第二章
松原タニシのいきなりホラー旅　関西SP
松原タニシの恐味津々｜ MBSラジオ AM1179 FM90.6
文化系トークラジオLife
実話怪談倶楽部#62
北野誠のおまえら行くな。まだまだ掘りたい！魔都京都SP
たっくー＆ナナフシギのツイ跡！都市伝説 第七回
* テレビ和歌山「ちゃぶ台〜おかわり〜」

田辺青蛙は、小説家としての活動だけでなく、怪談文化の普及や様々なメディアへの出演を通じて、幅広い分野でその才能を発揮しています。

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