由良川 (鳥取県)

由良川の概要

由良川（ゆらがわ）は、鳥取県東伯郡の北栄町を通り、日本海へと流れ込む重要な二級河川です。この川は、市街地だけでなく周辺の地形や生態系にも大きな影響を与えています。川の流れは、山岳地帯から穏やかな丘陵地帯を経て、豊かな自然を抱え込んでいます。

地理的特徴

由良川は大山山麓の西高尾川から始まり、西高尾ダムで流量の調整が行われています。さらに倉吉市側からは円城寺川が合流し、天神川から引かれた疏水による北条川の支川も流れ込みます。上中流部では、安山岩の上に大山火山の凝灰岩由来の礫岩が広がり、独特の丘陵地が形成されています。下流部に行くにつれ、沖積層が広がり、河口部では自然にできた砂丘が見られます。

治水の歴史

由良川河口付近は海抜が低いことから、しばしば洪水の被害が発生してきました。過去には河川の逆流や砂丘の発達により、河口が塞がれる事態もあり、地域住民は長年にわたり水害に悩まされてきました。

関連の歴史的スポットとして、島地区には島池と呼ばれる湖が存在し、ここから海へ向かう小さな流れがあったとされます。この川の現在の姿は、1538年（天文7年）頃に形成されたと考えられています。

1719年（享保4年）には、鳥取藩によって倉庫と船着き場が設けられ、由良宿と名付けられた地域が栄えることになります。1863年（文久3年）には、由良川の河口に由良台場が築かれ、そこには国の史跡として8門の大砲が設置されるなど、軍事的な役割も担っていました。

1987年（昭和62年）には、台風19号が襲来し、北栄町内部の低地が浸水する甚大な被害を引き起こしました。この時の被害額は約10億円に達し、由良川におけるとりわけ厳しい洪水被害の一つとして記録されています。

自治体と交通網

由良川の流域には東伯郡北栄町、琴浦町、倉吉市などがあり、地域経済や住民生活にも密接に関連しています。交通網も整備されており、国道9号や鳥取県道167号の由良停車場線、山陰本線などが川に沿って走っています。また、鳥取県道23号倉吉由良線や北条湯原道路も利用され、地域の移動に便利な役割を果たしています。

このように、由良川は単なる自然の河川というだけでなく、地域の歴史や治水、交通など多岐にわたって重要な役割を担っている川なのです。

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