由良港 (和歌山県)

由良港（ゆらこう）

由良港は、和歌山県日高郡由良町と日高町にまたがる港湾で、1953年8月1日に地方港湾として指定されました。和歌山県が港湾管理者であり、緊急時の避難港としても機能しています。

概要

由良港の歴史は非常に古く、太平記にもその名が登場するほどです。周辺は典型的なリアス式海岸であり、水深が深いため、古くから天然の漁港として栄えてきました。

昭和時代に入ると、その地理的優位性に着目した大日本帝国海軍が、1939年に紀伊防備隊を設置しました。終戦に伴い同部隊は解散しましたが、1952年には保安庁警備隊大阪航路啓開隊本部由良基地が設けられ、1954年には海上自衛隊由良基地分遣隊が発足し、現在に至っています。

水深の深さを活かして大型船が入港できるため、周辺地域で産出される骨材を利用したセメント産業が発展し、三井造船の造船所も誘致されるなど、紀中地域の経済を支える重要な拠点となっています。また、悪天候時には緊急避難港としての役割も果たします。

かつては、1928年から1968年まで、紀勢本線紀伊由良駅から貨物支線が伸びており、港湾のそばには由良内駅が存在していました。

2015年度の発着数は2,344隻、総トン数は3,649,076トンを記録しています。

港湾区域

由良港の港湾区域は、神谷崎から南西方向に伸び、蟻島を経由する線と、日高町の方杭崎から北北西方向に伸びる線の交点の内側と定められています。

施設

機関
海上自衛隊由良基地

企業
ＭＥＳ－ＫＨＩ由良ドック（三井造船と川崎重工業の合弁会社、元々は三井造船由良修繕部）
駒井ハルテック和歌山工場
麻生セメント由良サービスステーション
第一石産由良工場

付近の交通

西日本旅客鉄道紀勢本線 紀伊由良駅
国道42号
和歌山県道23号御坊湯浅線/和歌山県道24号御坊由良線

参考文献

『港湾統計（年報）』国土交通省、2016年。

関連項目

日高港

外部リンク

和歌山県情報館 由良港
株式会社エム・イー・エス由良 設備
株式会社ハルテック和歌山工場
自衛隊和歌山地方協力本部 海上自衛隊由良基地

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