留守第52師団

留守第52師団の概要

留守第52師団（るすだいごじゅうにしだん）は、大日本帝国陸軍の一部隊であり、1941年から1945年にかけて地域防衛や徴兵、訓練を主な任務としていました。この部隊は金沢師管を管轄し、金沢師管区部隊が発足する際に廃止される運命にありました。

設立と初期の活動

この師団は1941年に編成され、石川県、富山県、長野県の3県を管轄しました。具体的には、1940年に創設された第52師団が初めてこの地域の防衛を担当することとなります。太平洋戦争の開戦直前である1941年12月4日には、昭和16年軍令陸甲第94号によって臨時動員が命じられました。臨時動員とは、常設師団が現役を退いた将兵を召集し、訓練や業務を分けて純粋な戦闘組織として再編成することを指します。この際に、留守第52師団が編成されることとなります。

本来の師団の動員完了は12月31日でしたが、留守第52師団の編成は1942年1月27日に完了したと推測されています。留守師団自体は元の師団名を引き継ぎつつも、異なる指揮官や人員で形成される新たな組織でありました。

編成と役割

留守第52師団は、司令部と複数の補充隊から構成されており、兵士の教育訓練を行う役割を担っていました。歩兵第69連隊補充隊は富山市、歩兵第150連隊補充隊は長野県松本市に位置し、司令部は金沢市に集中しました。上級部隊は東京に司令部を置く東部軍が担当していました。

復帰と再動員の歴史

動員後、内地で待機していた第52師団は、1942年6月27日に復帰命令が下されます。その後、1943年8月10日には再度動員が命令されました。本来の師団が復帰する際に留守師団も解散するはずでしたが、当時の資料ではこの点についての詳細は明らかになっていません。

組織の変遷と廃止

金沢師管は、1945年1月22日に制定された昭和20年軍令陸第1号により、2月11日から長野県を新設の長野師管に譲渡しました。ここで新たに留守第54師団が長野師管の管轄を担当する必要が生じ、その間は留守第52師団が長野県の業務を継続しました。さらに1945年2月9日には、臨時的な留守師団から常設の師管区部隊への転換が定められ、留守第52師団司令部は4月1日に金沢師管区司令部として改称されました。この改称に伴い、所属部隊もほぼ全て金沢師管区部隊に転換されることとなりました。

師団長について

井関仭は1943年11月5日から1945年3月31日まで留守第52師団の師団長を務めました。

結論

留守第52師団は、特に戦時中の地域防衛において重要な役割を果たし、各地における訓練や補充を通じて日本の軍事力を支える一翼を担っていました。戦争の激化とともに、その役割が次第に変化し、最終的には軍隊の組織改編によって他の部隊に吸収されることとなったのです。

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