留略

留略について

留略（りゅう りゃく）は、三国時代の中国における呉の武将であり、生没年については明確な記録が残っていません。彼は留賛を父に持ち、兄弟の留平と共に軍事活動に関与していました。留略に関する情報は、主に『三国志』の魏志や呉志に記載されています。これにより、彼の生涯や戦績についての一端を知ることができます。

生涯の概要

留略が歴史に登場するのは、建興元年（252年）のことで、この時期は後漢滅亡後の動乱の世、三国時代の真っただ中です。この年、呉の君主孫権が亡くなった後、魏は東興、南郡、武昌にわたって積極的な侵攻を行いました。そこで留略は全端と共に、諸葛恪の指揮のもと、二つの城に兵士千人を率いて籠城しました。留略は東城を守護し、全端は西城に立て籠もりました。

魏軍は胡遵や諸葛誕を指揮する軍勢により、この城に攻撃を試みますが、地形が険しいために攻城は失敗に終わりました。城を守る留略と全端にとって、この防衛戦は彼らの軍事的な評価につながる重要な出来事となったと考えられます。輝かしい結果として、諸葛恪は魏軍の油断を突いてこれを破り、東興の戦いとして知られる戦闘が展開されました。

五鳳2年（255年）、彼の父である留賛が左将軍の職にありながら寿春で戦死します。この後、呉は広陵への進出を図り、その際に衛尉の馮朝に城砦を築かせます。留略は東海太守に任命され、呉穣が広陵太守となるなど、新たな役割を担うことになりました。

天紀4年（279年）には、南海太守として名を残す劉略という人物が反乱に巻き込まれて殺されますが、これが留略と同一人物かどうかは定かではありません。彼の活動については、詳細な記録が残っておらず、彼自身の具体的な功績がどのようなものであったのかを知ることは難しいのが実情です。

さらに、留略については「孫峻伝」にも彼の兄弟である留平と共に部将としての活躍が記されていますが、それ以上の情報は乏しいのです。

演義における役割

留略はまた、『三国志演義』にも登場し、東興の戦いにおける彼の役割が描かれています。演義の中では、彼の軍事才覚や勇敢さが強調され、彼の名は後世に伝わることになります。

彼の短い生涯と、数少ない記録からは、留略という人物は三国時代の動乱の中で静かに立ち上がり、呉の軍事戦略に貢献した武将であったことは間違いありませんが、その詳細な足跡は歴史の影に隠れているのです。

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