畠山国氏 (奥州管領)

畠山国氏（はたけやま くにうじ）

畠山国氏は、南北朝時代に活躍した武将であり、室町幕府における奥州管領という重要な役職を担いました。彼は、畠山高国の嫡男として生まれ、父と共に奥州の統治と南朝勢力の鎮圧に尽力しました。

奥州管領としての活動

1345年（興国6年/康永4年）、国氏は奥州管領に任命され、父と共に陸奥多賀国府に着任しました。当時、奥州では南朝勢力が依然として強く、国氏はその鎮撫に力を注ぎました。しかし、同じく奥州管領に任じられていた足利直義派の吉良貞家との間に、次第に対立が生じるようになりました。

観応の擾乱と最期

足利尊氏と直義の対立から観応の擾乱が勃発すると、国氏は尊氏派に属しました。これにより、貞家との対立は決定的となり、両者は全面的な軍事衝突へと突入しました。1351年（観応2年/正平6年）2月、貞家軍は国氏の居城である陸奥岩切城（現在の宮城県仙台市宮城野区岩切）を包囲しました。激しい攻防戦の末、国氏は父と共に自害し、その生涯を閉じました。

子孫

国氏の子である国詮（幼名平岩丸）は、奥州に土着し、二本松氏の祖となりました。国氏の血筋は、その後も奥州の地で長くその名を残すことになりました。

参考資料

今谷明・藤枝文忠編『室町幕府守護職家事典（下）』新人物往来社、1988年、ISBN 4-404-01533-X C1521
国史大辞典編集委員会編『国史大辞典 11 にた - ひ』吉川弘文館、1990年

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