番町 (高松市)

高松市番町

香川県高松市の中心部に位置する町丁、番町（ばんちょう）。郵便番号は760-0017です。全域で住居表示が実施されており、一丁目から五丁目が存在します。この地域は香川県庁や高松市役所などが立地し、県を代表する官庁街を形成しています。また、主要な医療機関や進学校なども集中しており、香川県の中枢的な機能を持つ施設が多く集まっています。

地理

番町は高松市の都心部にあり、南北を貫く主要幹線道路である中央通りのやや西側に位置しています。地理的な境界としては、東は中央通りおよび県庁前通り、南は菊池寛通りと県道33号高松善通寺線、西は大学通り、北は市道二番町築地線によって囲まれています。

中央通りに面した番町一丁目は、企業の支店や支社が入る雑居ビルが多く立ち並ぶエリアです。ここには高松市役所や、市内のオアシスである高松市立中央公園があります。その西側の県庁前通り沿いには、香川県庁舎をはじめ、香川県立高松高等学校や高松赤十字病院といった県の中核的な公共施設や大規模病院が集中しています。これらの大規模施設の裏手に回り、中央通りから離れて西側へと向かうにつれて、街並みは次第に落ち着きを見せ、閑静な住宅街が広がっています。

2020年に行われた国勢調査によれば、番町の人口は2381人（男性1147人、女性1234人）、世帯数は1160世帯です。町全体の面積は約56万7708.30平方メートルで、人口密度は約4632.7人/km2となっています。公立中学校の校区は町内全域が紫雲中学校区に属しています。小学校については、一丁目から三丁目および四丁目のうち一部地域が新番丁小学校区、五丁目および四丁目のうち別の一部地域が亀阜小学校区となっています。

都市計画の観点からは、一丁目の全域が商業地域に指定されており、容積率は中央通り沿いや特定の市道沿いで600%、その他の地域で400%です。二丁目から五丁目の大部分は第二種中高層住居専用地域（容積率200%、建ぺい率60%）ですが、県道33号線、県庁前通り、市道五番町西宝線沿いの一部は近隣商業地域（容積率300%、建ぺい率80%）に指定されており、土地利用に多様性が見られます。

番町は北は錦町、紺屋町、東は鍛冶屋町、亀井町、南は宮脇町、亀岡町、中央町、天神前、西は扇町、幸町といった町丁に隣接しています。

歴史

現在の番町という町丁は、1968年（昭和43年）に住居表示が実施される際に、それまでの二番丁から九番丁、そしてこれらの丁や隣接する町の一部を統合・再編して誕生しました。当初は一丁目から四丁目が設定され、1970年（昭和45年）には九番丁の残部や宮脇町などの一部を編入して五丁目が編成されました。

「番町」という町名の由来は、この地域が住居表示実施以前に「二番町」から「八番町」であったこと、また地番整理実施以前に「二番丁」から「十番丁」と呼ばれていたことによります。「○番丁」は、江戸時代からこの地に武家屋敷が多く立ち並んでいた頃に、東西の通りに付けられた名前が地名へと転じたものです。一番北の通りを一番丁とし、南へ順に番号を付けていきました。現在の町域は、かつての○番丁の区域を概ね踏襲していますが、一部には現在の町域がかつての区域外であったり、逆に現在の隣接町がかつての区域内であったりする箇所もあります。特に、市道五番町西宝線にあたる「五番丁」は、現在もその知名度が高く、中央通りとの交差点が通称「五番丁交差点」と呼ばれたり、バス停名に残ったりしています。

この地域は、明治時代以降、教育機関（四番丁小学校、香川県尋常中学校など）や医療機関（日本赤十字社高松支部病院）が開設され、都市機能が集積していきました。大正時代には路面電車（琴電市内線）が開業するなど、交通網も整備されましたが、1945年（昭和20年）の高松空襲により市街地の大部分が焦土と化すという大きな被害を受けました。戦後、大規模な戦災復興土地区画整理事業が実施され、現在の整然とした街区形成の基礎が築かれました。市民会館や中央公園、地下駐車場などの公共施設も整備され、都市機能の復興・強化が進められました。

交通

番町は高松市の中心部に位置するため、日常生活に必要な範囲は徒歩や自転車での移動で十分賄える環境です。しかし、市郊外への移動となると、公共交通機関だけでは不便な地域が多いため、自家用車に頼る傾向が強まります。中心部ゆえに周辺道路は交通量が多く、渋滞が発生しやすい一面もあります。

公共交通機関としては、町内に鉄道駅は存在しません。最寄りの鉄道駅は四方に分散しており、町内の位置によって利用しやすい駅が異なります。北にはJR高松駅、西にはJR昭和町駅、南にはJR栗林公園北口駅、東にはことでん瓦町駅があり、いずれの駅からも一定の距離があります。

一方で、町内に県庁や市役所といった重要な施設があるため、バス路線は非常に発達しています。ことでんバスを中心に、多くの路線が番町を経由しています。主要なバス停としては「市役所前」や「県庁前」があり、これらのバス停を経由する路線が多数を占めます。また、ことでん瓦町駅を経由する路線や、ショッピング・レインボー循環バスなども利用可能です。かつて「県庁通り」と呼ばれていた現・菊池寛通り沿いにあるバス停（例：市民病院ループバスの「県庁通り 中央公園前」）は、高速バスの一部も停車するなど、利便性の高い停留所となっています。

主要道路

町内の道路網は、江戸時代の武家屋敷街に由来する碁盤の目状の整然とした区画が基盤となっており、戦後、これに沿う形で幹線道路が整備されました。

南北の主な道路
中央通り（国道11号、国道30号）：高松市の中心部を南北に貫く最も重要な幹線道路。
県庁前通り（香川県道173号高松停車場栗林公園線）：中央通りの西側に並行し、その機能を補完する役割を担います。
大学通り：香川大学東側を通り、宮脇町から錦町方面へ抜ける道です。

東西の主な道路
美術館通り：紺屋町や今新町といった繁華街を経由して新塩屋町へ至るルートで、一方通行が多い中心部において貴重な対面通行の道です。
五番丁通り（高松市道五番町西宝線）：かつての五番丁にあたる通りです。
菊池寛通り：かつての県庁通りであり、町内からことでん瓦町駅方面へ向かう主要ルートの一つです。
旧国道11号（香川県道33号高松善通寺線）：町の南側を通る重要な東西の道路です。

鉄道

町内に鉄道駅はありません。最寄りの駅は以下の通りです。
北方向：JR高松駅（予讃線、高徳線、土讃線）
西方向：JR昭和町駅（高徳線）
南方向：JR栗林公園北口駅（高徳線）
* 東方向：ことでん瓦町駅（琴平線、志度線、長尾線）

バス

多数のバス路線が町内を経由します。多くの路線がJR高松駅を発着し、「市役所前」や「県庁前」といった町内の主要バス停に停車します。ことでん瓦町駅を経由する路線や、ショッピング・レインボー循環バスも運行されています。

（主なバス路線例：ことでんバス 下笠居・香西線、高松西高線、市民病院ループバス、ショッピング・レインボー循環バス）

市民病院ループバスの「県庁通り 中央公園前」バス停は、現在の県庁前通りではなく、かつての県庁通り（現：菊池寛通り）に位置しており、一部の高速バスも停車します。

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