異安心

異安心についての考察

概要

異安心（いあんじん）とは、仏教の様々な派において、正統な教義とは異なる見解や信仰を示す言葉です。特に浄土真宗の文脈で使用されることが多く、親鸞の教えに基づく信仰の中でも異端として排斥された信仰や、その信者たちが「異安心」として認識されることがありました。これは、他の用語，例えば異流、異義、異計や邪義とも関連しています。

浄土真宗における異安心の歴史

浄土真宗の歴史の中で、異安心という概念は長い間存在しています。親鸞が存命の頃から、彼の教えに対してさまざまな異論や論争が生じていました。その中で、本願寺を創設した覚如は、佛光寺系の教えである「知識帰命」や唯善が主張した「無宿善往生」の教義を異安心として批判しました。

15世紀には、親鸞の教えに対抗する集団が多く現れ、「秘事法門」や「一益法門」、「施物頼み」といった、新しい教義が提唱されました。さらに、1763年に西本願寺で起きた「三業惑乱」は、異安心の事件として広く知られています。

近代に入ると、親鸞の思想に新たな解釈を試みる動きが現れ、これに対して伝統的な教団から「異安心」と見なされる批判が数多く寄せられました。これは教団内での権威や地位を巡る緊張関係を引き起こしました。

異安心と見なされた人々や団体

異安心とされた信者や団体の中に、特に著名な例があります。たとえば、以下のような individualsが挙げられます：

• - 秘事法門に関連する信者たち
• - 清沢満之
• - 金子大栄：彼は1928年に発表した著書『浄土の観念』が異安心とされ、大谷大学の教授職を追われることになりましたが、彼はその後も自身の信念を貫きました。
• - 曽我量深：1930年に『如来表現の範疇としての三心観』という著作で提唱した考えが異安心と判断され、大谷大学の教授を辞任せざるを得なくなりました。しかし、彼もまたその後、自身の主張を継続する道を選び、名誉を回復しました。
• - 暁烏敏：彼は1911年に異安心とされ、その情熱故に議論を巻き起こしました。

これらの人物たちの多くは、否定的な評価を受けながらも、その教えや信念を持ち続け、異端視されながらも教義の探求を行ってきました。

異安心の研究

異安心というテーマに関しても、多くの研究が行われており、著名な研究者として大原性実がいます。彼は著書『真宗異義異安心の研究』を通じて、様々な視点からこの信仰の形態を解明しようと試みています。

関連用語

異安心に関連する用語としては「三業惑乱」や「十劫安心」などがあり、浄土真宗の教義理解において重要な役割を果たしています。

結論

異安心という概念は、浄土真宗の中での論争や教義の多様性を示す言葉であり、信仰の発展や変遷の過程を考える上で重要な要素です。これを理解することは、仏教の教えを深く学ぶうえで不可欠なプロセスとなるでしょう。

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