白ボール

白ボールとは

白ボールは、白板紙の一種であり、主にパッケージ用途に使われる板紙です。コート白ボールとノーコート白ボールの2種類に大別され、これらを総称して「白ボール」と呼びます。また、単に「コートボール」と呼ばれることもあります。

コート白ボールとノーコート白ボール

• - コート白ボール: 片面が白色で、その表面にコーティング剤を塗布したものです。これにより印刷適性が向上し、美しい仕上がりが得られます。一般的な「裏ネズ」と呼ばれるタイプは、裏面がねずみ色をしていますが、裏面にもパルプなどを抄きこんだ「裏白」と呼ばれるものもあります。

• - ノーコート白ボール: 表面にコーティングを施していないタイプの白ボールです。コート白ボールに比べて印刷の品質は劣りますが、コストを抑えることができます。

紙器用板紙としての特徴

白ボールは、紙器用板紙としても広く認知されており、その多くは食品衛生法の観点から蛍光染料を使用せずに製造されます。しかし、原料となる古紙（新聞古紙や雑誌古紙）に蛍光染料を使用した印刷物があるため、微量の蛍光反応が発生する場合があります。製造工程で蛍光染料を使用しないものは「無蛍光（ノー蛍光）」と呼ばれます。

白ボールの歴史

白ボールは、黄ボールやチップボールといった板紙の品質を向上させる過程で誕生しました。以前は、パッケージには黄ボールやチップボールに和紙や薄紙を貼る「貼箱」が用いられていましたが、印刷技術の進歩とともに、より印刷に適した白ボールが主流になりました。現在でも貼箱は高級品に使われますが、コストの面から印刷箱が主流です。

原材料

白ボールは、主に以下の材料から構成されます。

• - 白層: パルプや上質系古紙（PPCなど）が用いられます。

• - 中層: 新聞古紙や雑誌古紙が使用されます。

• - 裏層: 主に新聞古紙が使われます。

近年、中国の経済発展に伴い、中国国内での白ボール生産量が世界一となり、その原料となる古紙を日本などから輸入しているため、日本国内の古紙価格が高騰する要因の一つとなっています。

主な用途

白ボールは、その特性から幅広い用途で使用されています。

• - 食品向けパッケージ: 食品の個包装や外箱など、衛生性が求められるパッケージに利用されます。

• - ティッシュボックス: ティッシュペーパーのパッケージとして一般的です。

• - 日用雑貨向けパッケージ: 洗剤や雑貨など、さまざまな日用品のパッケージに使用されます。

• - 出版用途: 貼合絵本やブックケースなど、書籍関連の用途にも使われます。

主な製造メーカー

白ボールを製造する主なメーカーは以下の通りです。

• - 王子マテリア
• - 王子製紙
• - 日本製紙
• - 北越コーポレーション
• - レンゴー
• - 大阪製紙
• - 丸井製紙
• - アテナ製紙

関連項目

• - ボール紙

白ボールは、私たちの生活に欠かせないパッケージ材料であり、その製造技術や用途は日々進化しています。

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