白埼 (給糧艦)

白埼 (しらさき)

白埼は、日本海軍の運送艦であり、杵埼型給糧艦の一隻です。この艦名は日本各地に存在する岬の名前に由来していますが、具体的にどの地名を取ったのかは不明です。考えられる候補には、五島列島の若松島、三重県鳥羽沖の菅島、そして大分県佐伯湾の近くにある岬などがあり、海図上では白埼という名前はほぼ10か所に見られます。

艦歴

白埼の起工は、昭和16年（1941年）度に雑役船として計画されたことに始まります。翌年の1942年5月18日に大阪鉄工所桜島工場で起工し、同年4月20日に白埼と命名されました。そして、同年の8月20日には呉鎮守府に籍を置き、特務艦類別等級の運送艦として分類されました。進水は1942年11月5日、竣工は1943年1月30日となっています。以後、白埼は連合艦隊に編入され、太平洋戦争中の主に北方での糧食の補給や海上護衛任務を担いました。

1944年3月2日には呉を出港し、大湊に回航しました。その数ヶ月後の3月20日、白埼は幌筵の東海岸で触礁し、以降大湊や函館で修理作業が行われました。7月13日に大湊を出発して千島方面への補給任務に従事し、不断に海での活動を続けました。

1945年には再び大湊に入港し、整備作業を行いながら、糧食や飲料水の搭載を重ねました。これにより、白埼は4月25日に出港し、キ503船団の護衛および糧食の補給任務に向かいました。終戦を迎えた時、白埼は引き続き大湊に停泊していました。1945年10月5日に除籍された後、12月には特別輸送艦として復員輸送に従事しました。

その後、白埼は特別保管艦に指定され、1947年10月3日に青島で中国に引き渡されました。この際、国府海軍に加わり、武陵（ウーリン）という新たな名前を付けられました。武陵には日本海軍から移譲された8センチ砲と40ミリ機銃が搭載されていました。

1949年、国共和平交渉が破綻し、武陵は揚子江の上流に取り残されましたが、同年4月23日に座礁しながらも離礁を果たし、台湾に逃れることができました。最終的に、1954年または1970年5月1日に除籍され、その歴史を閉じることとなりました。

参考文献

• - アジア歴史資料センター（公式）
• - 『昭和17年1月～12月 達/8月』
• - 『昭和17年7月～9月 内令 3巻/昭和17年8月分(3)』
• - 『昭和18年1月～4月 内令 1巻/昭和18年1月(2)』
• - 『強い海軍の历史を刻む艦艇たち』
• - その他多くの文献

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