白川義則

白川義則 (しらかわ よしのり)

白川義則は、1869年1月24日に生まれた日本の陸軍軍人で、最終的には陸軍大将に昇進しました。彼は従二位、勲一等功二級の男爵としての栄誉も持ちます。白川は関東軍の司令官や陸軍大臣を歴任し、1932年4月29日に起きた上海天長節爆弾事件で重傷を負った後、翌月に死去しました。

生い立ちと軍歴

白川は松山藩士の家に三男として生まれました。松山中学に進学するも、経済的理由から中退し、様々な職業を転々としました。1884年に陸軍教導団に入隊し、その後陸軍工兵としてのキャリアをスタートさせました。1886年に工兵軍曹として配属された後、1887年には士官候補生に昇進。1890年には陸軍士官学校を卒業し、陸軍少尉に任官されました。

その後、白川は日清戦争に出征、1895年には日本に帰還し、再び陸軍大学校に復学しました。彼は1898年に大尉に進級し、陸軍大学校第12期を卒業。以後、様々な階級を経て1919年には陸軍中将に昇進し、陸軍士官学校校長に就任しました。

1921年には第11師団長に親補され、翌年陸軍次官に任命されました。1922年には航空局長官にも就任し、以降も重要な役職を歴任しました。1923年には関東軍司令官に任命され、1925年に陸軍大将に親任されました。

上海事変における業績

1932年初頭、第一次上海事変が勃発すると、白川は上海派遣軍司令官に任命されます。1932年2月25日、昭和天皇から「条約尊重、列国協調、速やかな事件解決」の指示を受け、白川はその信に応えるべく停戦命令を出しました。この一連の行動により国際的にも評価され、日本と国際社会の関係が改善する一助となりました。

しかし、彼の果断な行動は陸軍からの批判も受け、停戦後も彼は現場指揮を続けました。5月5日、正式に停戦調印が行われ、白川の功績が再確認されることとなります。

上海天長節爆弾事件

1932年4月29日、上海での天長節祝賀会の際に、朝鮮人テロリスト尹奉吉が爆弾を放ち、白川は大怪我を負いました。他にも多くの負傷者が出る中、白川は重傷にもかかわらず現場で指揮を執り続けました。手術を受けた後、一時は容態が安定したものの、5月23日に急変し、3日後の5月26日に亡くなりました。享年65でした。

白川の死後、彼に対する評価は高まり、勲一等旭日桐花大綬章と功二級金鵄勲章が追贈されました。また、男爵にも叙され、その業績は後世に語り継がれています。皇居からは遺族に対して慰労の言葉が贈られましたが、その内容は公表されませんでした。

家族と後嗣

白川の長男・義正は、商業界で名を馳せた永野護の娘と結婚し、義弟には三菱マテリアルの会長などがいます。戦後、彼の三男も航空自衛隊に入り、著名な経歴を持つこととなりました。白川義則の地元松山市には彼の墓があり、長い歴史の中で重要な役割を果たした人物として今も語り継がれています。

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