白川資長

白川資長の生涯

白川資長は、1871年（明治3年）に神祇大副であった白川資訓の長男として誕生しました。彼は、日本の激動期である明治から昭和にかけて、政治家、華族として重要な役割を果たしました。1906年（明治39年）に父の死去に伴い子爵を襲爵し、華族としての地位を確立しました。

学歴と初期の活動

資長は、1905年（明治38年）に東京外国語学校仏語科を卒業後、さらに東京帝国大学文科大学を修了しました。この学歴は、彼の後の活動に大きな影響を与えました。学問を通じて得た知識は、政治家としての活動や、社会に対する深い理解につながったと考えられます。

政治家としての活動

1914年（大正3年）以降、白川資長は名誉掌典、神社調査会委員、神社制度調査会委員などを歴任しました。これらの役職を通じて、彼は日本の伝統文化や精神性の維持に尽力しました。特に、神社制度に関する深い知識と関心は、彼が後に日本精神研修会長を務める上で重要な基盤となりました。

1918年（大正7年）には貴族院子爵議員に選出され、研究会に所属して政治活動を積極的に行いました。彼は1939年（昭和14年）まで議員を務め、その間、日本の政治に大きな影響を与えました。彼の政治家としての活動は、当時の社会情勢を反映したものであり、日本の近代化を支える一翼を担いました。

文化・宗教活動

白川資長は、日本精神研修会長として、息吹長世の行法を指導しました。この活動は、日本の伝統的な精神文化を継承し、次世代に伝えるための重要な取り組みでした。彼の文化・宗教活動は、政治活動と並行して行われ、彼の多才さを物語っています。

戦後と晩年

戦後は神社本庁参与を務めました。しかし、彼は子女に恵まれず、1954年には養子縁組も解消したため、彼の死と共に白川伯王家は断絶しました。これは、彼の一族の歴史における大きな転換点となりました。

栄典

白川資長は、1896年（明治29年）9月21日に従五位、1927年（昭和2年）12月15日に従三位を授与されました。これらの栄典は、彼の社会的な功績を称えるものでした。

親族

彼の父は白川資訓、母は白川幾子（三条西季知の五女）です。妻はリウで、飯野盛容の娘です。養子には上野久雄がいましたが、後に離縁しています。

参考文献

白川資長の生涯や活動に関する詳しい情報は、以下の文献で確認できます。

『人事興信録：下巻』第14版、人事興信所編、人事興信所、1943年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
『神道人名辞典』神社新報社編、神社新報社、1986年。
『議会制度百年史：貴族院・参議院議員名鑑』衆議院・参議院編、大蔵省印刷局、1990年。
* 『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館編、吉川弘文館、1996年。

白川資長の生涯は、日本の近代史における重要な一側面を映し出しています。彼の活動は、政治、文化、宗教の各分野にわたり、多大な貢献をしたと言えるでしょう。

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