白昼の決闘

白昼の決闘 (Duel In The Sun)

1946年に製作されたアメリカ映画『白昼の決闘』は、西部劇を舞台にした愛憎劇です。『風と共に去りぬ』の西部劇版を目指した製作者デヴィッド・O・セルズニックが自ら脚本を執筆し、キング・ヴィダーが監督を務めました。

作品の特徴

本作は、従来の西部劇には珍しく、家庭内の不和や老夫婦間の確執、そしてヒロインをめぐる兄弟間の争いを描いています。当時としては珍しい、複雑な人間関係を盛り込んだドラマが展開されます。

先行上映が行われたロサンゼルス地区では1946年に公開されたため、主演のジェニファー・ジョーンズは1946年度のアカデミー主演女優賞にノミネートされました。しかし、全米公開は1948年だったため、資料によって製作年度の記述が異なる場合があります。

また、グレゴリー・ペックも同年のアカデミー主演男優賞にノミネートされていますが、こちらは『子鹿物語』での演技が対象でした。両作品ともに、当時としてはまだ珍しかったテクニカラーで撮影されています。

ストーリー

物語は、奔放な女性パールが、両親を亡くしたことで父親の旧知の女性ローラの元へ預けられるところから始まります。ローラの夫マキャンレスは保守的な性格で、インディアンの血を引くパールを異端視します。

一方、マキャンレスの息子であるジェシーとルートは、共にパールに関心を抱きます。ルートはパールを強引に手に入れようとします。

マキャンレスは鉄道会社との間に確執を抱えており、鉄道会社の肩を持つジェシーを勘当します。ルートは父親の後継者としての才能を発揮し、パールの心を支配しようとしますが、婚約は拒否されます。神経を苛立たせたパールは、年輩の男サムとの関係を深め婚約しますが、サムはルートによって殺害されます。

夜にパールと再会したルートは、メキシコへ逃亡することを告げますが、パールを連れて行くことを再び拒否します。ローラの体調が悪化し、心労のため亡くなります。都会で名士となっていたジェシーは、パールを自分の元に置こうとします。ジェシーの婚約者は彼の態度に疑問を持ち、パールに一緒に暮らさないかと提案します。

ルートはジェシーの考えを許さず銃撃して重傷を負わせます。ルートの呼び出しを受けたパールはルートを撃ち、自身もルートに撃たれます。息を引き取る寸前、ルートはパールを本当に愛していたと告げ、パールもそれを認め、満足しながら息を引き取ります。

キャスト

ルート・マキャンレス：グレゴリー・ペック（城達也）
ジェシー・マキャンレス：ジョゼフ・コットン（滝田裕介）
パール・シャベース：ジェニファー・ジョーンズ（里見京子）
ローラ・マキャンレス：リリアン・ギッシュ
スコット・シャベース：ハーバート・マーシャル
ジュバル・クラブ：ウォルター・ヒューストン
ジャクソン・マキャンレス：ライオネル・バリモア
サム・ピアース：チャールズ・ビックフォード
ラングフォード：オットー・クルーガー

日本語吹替：初回放送1972年3月12日テレビ朝日『日曜洋画劇場』

外部リンク

白昼の決闘 - allcinema
白昼の決闘 - KINENOTE
Duel In The Sun - オールムービー（英語）
* Duel In The Sun - IMDb（英語）

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