白楽濬

白楽濬（ペク・ナクチュン）

白楽濬（ペク・ナクチュン、1896年3月9日 - 1985年1月13日）は、韓国の教育者、政治家です。本貫は水原白氏。在米中は白成彬（ペク・ソンビン）と名乗り、英語名はジョージ・パイクと称しました。日本名は白原楽濬（しらはら らくじゅん）、号は庸齋です。

生い立ちと教育

平安北道定州郡出身の白楽濬は、幼少期に書院で学びましたが、日露戦争後はキリスト教会系の小学校と中学校で教育を受けました。1911年には105人事件に関与した疑いをかけられますが、信聖学校の米国人校長の助けで容疑を晴らしました。1913年からは中国天津のイギリス系教会学校の神学書院で3年間学び、1916年にアメリカに渡りました。1922年にミズーリ州のパーク大学を卒業し、1925年にはプリンストン神学校を卒業。その後ペンシルベニア大学で政治外交学を修めました。プリンストン大学大学院で歴史学を研究した後、1927年にイェール大学大学院で哲学博士号を取得しました。

教育者としての活動

1936年に延禧専門学校の文科科長に就任し、1940年には京城老会所属の牧師として同校に勤務しました。1941年には朝鮮総督府から朝鮮イエス教長老会の布教者として許可を受けています。1942年にはキリスト教新聞協会の理事と「キリスト教新聞」の編集委員に任命され、1943年には朝鮮中央キリスト教青年会維持財団の理事にも選出されました。

解放後の活動

解放後は、米軍政庁学務局の朝鮮人教育委員に選ばれ、京城大学（現在のソウル大学校）法文学部長、法文学部西洋史学教授を兼任しました。1946年には延禧大学校（現在の延世大学校）の初代総長に就任し、1948年には大韓少年団総裁を務めました。1950年からは文教部長官、延禧大学校理事長、大韓教育連合会理事長、大韓キリスト教青年会連盟理事長、韓国キリスト教会連合理事長、大韓教科書株式会社社長、延世大学校初代総長、同名誉総長など、数々の要職を歴任しました。1960年には第5代総選挙で無所属で出馬し、参議院議員に当選。その後、参議院議長を務めました。

その後

1961年の5・16軍事クーデター後、米国北長老教会教育処顧問として招聘され渡米。南米やインドなどのキリスト教教育機関を視察し、1963年に帰国しました。1980年には国政諮問会委員、1983年には学術院会員を歴任しました。

業績と評価

著書には『韓国キリスト教史』『韓国教育と民族精神』などがあります。教育者、政治家として多くの功績を残しましたが、2009年には親日反民族行為者として認定されています。

白楽濬は、激動の時代を生きた教育者であり、政治家でした。その生涯は、教育と政治の両面で韓国の近代史に大きな足跡を残したと言えるでしょう。

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