白樺駅

白樺駅の概要

白樺駅（しらかばえき）は、北海道の空知支庁に属する雨竜郡幌加内町に位置していた北海道旅客鉄道（JR北海道）深名線の廃駅です。電報略号は「シラ」で、事務管理コードは「▲121413」の番号が付与されています。営業末期には隣接する蕗ノ台駅と同様、冬季にはすべての列車が通過する状況でした。

歴史的背景

この駅は、原生林に囲まれた地域に設置され、開業の背景には開拓基地としての側面がありました。白樺駅は、北海道大学の農学部演習林の中に位置しており、1929年頃から林業に関わる人々が利用していました。近隣の泥川から伐採された木材が流れてくるさまは、地域の林業の重要な一翼を担っていました。

1940年には深名線の延伸工事が進み、駅周辺に市街地が発展する期待が寄せられ、その後の区画測量や施工が行われました。しかし、駅開業からわずか3年後、開拓を試みた数名が撤退し、その後は林業関係者のみが住む集落となりました。この駅は木材の積み出し基地として機能し、1956年度のデータによれば年間12,000トンもの木材が発送されていたのです。

しかし、輸入自由化の影響により木材の搬出は急減し、人口も1961年にはわずかに100人を切る状況に陥りました。その結果、同年に無人駅へと移行。1964年、最後の居住者が去ったことでこの地は完全な無人地帯となりました。

年表

• - 1941年（昭和16年）10月10日：深名線の朱鞠内駅から初茶志内駅間が延伸開通し、白樺駅が開業。
• - 1949年（昭和24年）6月1日：日本国有鉄道へ移管。
• - 1960年（昭和35年）12月10日：貨物・荷物の取り扱いを廃止。
• - 1961年（昭和36年）4月1日：無人駅となる。
• - 1977年（昭和52年）12月1日：以降冬季休止が始まる。
• - 1990年（平成2年）3月10日：廃止される。

駅名の由来

開業当時、地域に特定の名称はありませんでしたが、白樺の密林が広がる地域であったことからその名が付けられました。

駅の構造

当初は島式ホーム1面2線と貨物ホーム、さらに貨物側線を有する駅であり、列車の交換が可能でしたが、廃止時には単式ホーム1面1線の地上駅となっていました。北側にホームがあり、全ての運用は無人駅として行われていました。駅舎は撤去された後、プレハブの待合所が設けられました。最終的には駅の利用も見込まれず、冬季休業中にはホームも撤去されました。

周辺環境

駅前には、演習林に関わる居住地区があり、林業関係の住宅の他、日通営業所や鉄道職員の住宅も存在しました。周囲には静かな自然が広がり、訪れる人々に静寂をもたらしています。

白樺駅跡地は、今でもそのかつての名残を留めています。駅廃止後、当駅の線路は曲がったままであり、乗車中に過去の駅の跡を推測することができました。2010年や2011年には駅名の手書き看板が立てられるなど、地域の人々にとっての記憶を呼び起こす存在として残っています。

白樺駅は、北海道の歴史の一部として重要な役割を果たした駅でしたが、時代の変化に伴いその存在は消え、多くの人々の記憶の中に静かに息づいています。

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