白石町 (川崎市)

白石町について

白石町（しらいしちょう）は、神奈川県川崎市川崎区に存在する町名です。この地域は、住居表示に関する法律に則り、住居表示が設けられているものの、特定の丁目はありません。面積は352,007.89m²と、広い工業専用地域となっています。

地理的特徴

白石町は、川崎区の臨海部に位置し、周囲は運河に囲まれています。北側には田辺新田、北東側には南渡田町が接しており、その他の方向はそれぞれ運河で隔てられているのが特徴です。具体的には、東は田辺運河を挟んで扇町、南は白石運河を挟んで大川町、西は境運河を挟んで横浜市鶴見区の安善町と向かい合っています。これらの運河にかかる橋は、基本的に大川町との間にしか架かっていません。

町の北端にはJR鶴見線が通っており、武蔵白石駅が設置されています。この駅は、鶴見線の大川支線が分岐している地点でもあり、町内を縦断して大川駅へと向かう路線があります。工場や物流施設が多く立ち並ぶこの地域では、特に日本鋳造の本社やアサヒの金属処理工場、富士電機の工場、ダイエープロセスセンターなどが存在し、全域が工業専用地域に指定されています。

交通の便

白石町内にはJR鶴見線の武蔵白石駅があり、そこから大川駅発着の列車が通過するのが特徴です。また、町内には「白石駅前」「白石町」「大川橋」といった停留所があり、川崎駅東口へのアクセスに便利な川崎鶴見臨港バスが運行しています。さらに、朝夕の時間帯には「ダイエー川崎プロセスセンター」行きの路線バスも利用可能です。

歴史的背景

白石町の成り立ちには明治時代の近代化の動きが影響を与えています。浅野総一郎という実業家が、工業港の建設に着手したことから始まりました。1912年に鶴見埋立組合が設立され、許可を得て埋め立てが行われた結果、1926年には白石元治郎の姓にちなんで「白石町」と名付けられました。この名前となる以前に、同様の人名を由来とした大川町や浅野町も設立されました。

1931年には鶴見臨港鉄道（後のJR鶴見線）の武蔵白石駅が開業し、同年には石炭火力発電所である日本電力川崎発電所が操業を開始しました。1937年には日本鋳造川崎工場が設立されるなど、地域の工業基盤が整い始めました。1964年には住居表示が実施され、町域の一部が田辺新田に編入されました。1972年4月1日には川崎市が政令指定都市に昇格し、川崎市川崎区白石町としての地位が確立されました。

現在の状況

2025年6月30日現在の世帯数や人口については、川崎市から発表されております。また、都市計画に沿って学区についての情報も整理されています。県立小・中学校への通学に関する学区は、2025年1月時点での情報が反映されています。事業所の数や従業員数も2021年時点での経済センサス調査を基に推移が報告されています。

なお、郵便番号は210-0857であり、集配局は川崎港郵便局が担当しています。警察の管轄についても確認可能です。

このように白石町は、工業が発展した歴史的背景を持ちながら、現代に至るまで交通の便や住居表示の整備が進められてきた地域です。

もう一度検索