武蔵白石駅

武蔵白石駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）鶴見線に位置する武蔵白石駅（むさししらいしえき）は、神奈川県川崎市川崎区白石町に所在します。駅番号はJI 07が付与されています。

概要

当駅は神奈川県川崎市内にありますが、JRの特定都区市内制度における運賃計算上は「横浜市内」の駅として扱われるという特例があります。

また、鶴見線から分岐する大川支線の起点駅にあたります。かつては当駅に大川支線の列車が発着するためのホームが設けられていましたが、現在は廃止されており、大川支線の列車は停車しません。運転上の分岐駅は隣の安善駅となっています。しかし、運賃計算上の分岐は当駅とされているため、鶴見方面から大川駅までを結ぶ定期乗車券であれば、武蔵白石駅で途中下車または乗車することが可能です。

歴史

武蔵白石駅の歴史は、鶴見臨港鉄道の時代に遡ります。

1926年（大正15年）3月10日：鶴見臨港鉄道の浜川崎駅 - 弁天橋駅間の開業に伴い、初代の武蔵白石駅（貨物駅）が開設されました。
1930年（昭和5年）11月15日：初代武蔵白石駅の廃止が届け出されました。
1931年（昭和6年）7月25日：旅客営業を行う武蔵白石停留場が開設されました。
1936年（昭和11年）3月17日：停留場から駅へ昇格し、二代目の武蔵白石駅となりました。
1943年（昭和18年）7月1日：鶴見臨港鉄道の国有化により、鉄道省鶴見線の駅となります。
1971年（昭和46年）3月1日：駅の無人化が実施され、自動券売機が設置されました。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の駅となりました。
1996年（平成8年）3月9日：駅改良工事のため、3番線の使用が停止されました。
1996年（平成8年）3月16日：大川支線ホーム（3・4番線）が廃止され、大川支線の列車は当駅に停車しなくなりました。
2002年（平成14年）3月22日：ICカード「Suica」の利用が可能となりました。
2009年（平成21年）10月8日：台風18号の影響により、駅周辺が水没する被害を受けました。
2020年（令和2年）4月12日：新しい駅舎の供用が開始されました。
2022年（令和4年）2月28日：設置されていた自動券売機の営業が終了しました。

駅名の由来

駅名は、日本鋼管（現在のJFEエンジニアリング、JFEスチールなど）の創業者である白石元治郎氏にちなんで名付けられました。しかし、すでに東北本線や函館本線などに同名の「白石駅」が存在していたため、区別のために旧国名である「武蔵」が冠されました。

特筆すべきは、駅名の読み方です。「白石」という表記を「しらいし」と読む日本の鉄道駅は、当駅が唯一です。他の「白石駅」はすべて「しろいし」と読みます。

駅構造

武蔵白石駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。駅舎は線路の北側に位置しており、扇町方面行きのホーム（1番線）に直接繋がっています。二つのホーム間は構内踏切で結ばれています。ホームの一部には屋根が設けられています。

扇町方面ホームの扇町寄り部分はホーム高さが低くなっています。また、同ホームはやや幅が狭い造りとなっています。駅の南側を大川支線の線路がかすめて通っています。

無人駅であるため、乗降客は簡易Suica改札機を利用します。トイレは改札口の横に設置されていますが、男女共用の多機能トイレのみ利用可能です。旧駅舎時代には、改札内から線路沿いに進んだ場所に男女共用水洗式トイレが設置されていました。

のりば

駅舎側のホームを1番線として、以下の乗り場があります。


（出典：JR東日本 駅構内図より）

なお、2021年4月現在、当駅を始発とする鶴見方面行きの列車が、日中や平日朝、土休日夜に設定されています。浜川崎方面への始発列車設定はありません。

旧大川支線ホーム

1996年（平成8年）3月に廃止されるまで、大川支線にも専用のホームが存在しました。このホームは、鶴見線の本線から大川支線へ分岐する約90度の急カーブ上に設けられていました。構造としては、行き止まり式の3番線と、本線へ接続する通過可能な4番線がありました。

しかし、ホームの長さは非常に短く、3番線は17メートル級車両1両分、4番線も17メートル級車両2両分程度の長さしかありませんでした。さらに、本線と繋がる4番線のホーム部分が車両限界に影響を与え、20メートル級車両の通過が困難でした。このため、長らく17メートル級の旧型国電であるクモハ12形が使用されていました。クモハ12形は老朽化が進んでおり、問題を抱えていたため、20メートル級車両の入線を可能とするために大川支線ホームの撤去が決定されました。ホーム廃止と同時に、使用車両も103系などの20メートル級車両に置き換えられました。

利用状況

2008年度の1日平均乗車人員は1,601人でした。当駅は無人駅であるため、正確な利用客数を把握することが難しいことから、2009年度以降はJR東日本による乗車人員の公表は行われていません。

駅周辺

駅周辺は白石町という地名が示す通り、工業地帯の中に位置しています。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）鶴見線における隣駅は以下の通りです。

鶴見線（本線）
安善駅 (JI 06) - 武蔵白石駅 (JI 07) - 浜川崎駅 (JI 08)
* 鶴見線（大川支線） ※施設上の隣駅
武蔵白石駅 - 大川駅
（注：大川駅発着列車は武蔵白石駅には停車しません）

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