百松沢山

百松沢山（ひゃくまつざわやま）

百松沢山は、北海道札幌市の中央区、西区、南区の境界に位置する山です。山全体が広葉樹と針葉樹の混合林に覆われており、豊かな自然景観を呈しています。

名称の由来

山名は、豊平川の支流である百松沢の源流に位置することに由来します。百松沢の名前には、百松という人物が最初に入植した、または調査に入ったまま帰らなかったという人名説と、エゾマツやトドマツが多く生えているという説があります。

また、北の主峰と南峰の間にコブがあるため、三段山とも呼ばれていました。1873年（明治6年）の『札縨郡西部図』では、発寒川の源流部とみなされ、初寒山という名で記されています。

地形と地質

尾根が南北に伸びており、北には標高1037.8メートルの主峰、南には約500メートル離れて標高1043メートルの南峰があります。山頂には百松沢溶岩の火山原面が、わずかな緩斜面として残っています。また、山頂から北東の方角には標高720メートルの広々とした高台があり、「銀の鞍」を意味するジルベル・ザッテルの名で知られています。

登山ルート

百松沢山には、一般向けの登山道は整備されていません。そのため、主に冬季にスキーやスノーシューを用いた登山が楽しまれています。

東側の源八沢からジルベル・ザッテルを経由するルートは古くから親しまれていましたが、近年、ふもとに開業した「スノーモービルランド」との競合や、採石場の作業道と重なる部分があるため、安全上の理由から推奨されていません。

また、北側の手稲平和霊園の奥から宮城の沢を遡るルートもありますが、スノーブリッジでの渡渉が前提となるため、初冬や融雪期には困難が伴います。

参考文献

『札幌地名考』北海道新聞社〈さっぽろ文庫1〉、1977年9月26日。
『札幌の山々』北海道新聞社〈さっぽろ文庫48〉、1989年3月27日。ISBN 4-89363-047-4。
朝比奈英三、鮫島惇一郎『札幌から見える山』北海道大学図書刊行会、1981年5月25日。
『新版 北海道の山と谷1 札幌近郊・道央・道南』富士コンテム、2017年6月20日。ISBN 978-4-89391-759-1。
* 関秀志 編『札幌の地名がわかる本』亜璃西社、2018年11月16日。ISBN 978-4-906740-34-5。

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