益荒雄広生

益荒雄 広生（ますらお ひろお）

益荒雄広生（てしま ひろお、1961年6月27日生まれ）は、福岡県田川郡糸田町出身で、押尾川部屋に所属した元大相撲力士です。彼の最高位は西関脇であり、1987年7月の場所で達成しました。身長188cm、体重127kgの体格を持ち、本名は手島広生です。得意技は右四つや寄り、下手投げであり、血液型はB型です。彼の妻は元プロゴルファーの奥村久子です。

人生の始まり

益荒雄の相撲人生は、実は警察官を志望していたことから始まっています。しかし、押尾川親方の助言を受け、地元の飯塚高校を中退し相撲の道を選ぶことになりました。1979年3月に初土俵を踏んだ際、彼はまだ17歳で、双羽黒や北勝海といった後に著名になる力士と同期でした。その頃の四股名は手島でしたが、1983年7月に益荒雄と改名し、以降はこの名で知られるようになりました。

角界での活躍

益荒雄は、新弟子時代から早朝から相撲教習所での厳しい稽古を行い、同時期に鍛え合っていた寺尾や琴ヶ梅と共に実力を磨いていきました。1986年に入幕し、速攻相撲と鋭い差し身で人気を集めました。1987年の3月場所では、他の強豪力士を相手に驚異的な成績を収め、「益荒雄旋風」と呼ばれるまでに至りました。この年は初めての三役（小結）昇進も果たし、早くも将来を嘱望される存在となりました。

その後も、彼は「白いウルフ」というニックネームで親しまれ、地元糸田町では応援の花火が打ち上げられるほどの人気を誇りました。しかし、1987年9月に右膝を傷め、ここからは怪我との戦いも始まります。

引退とその後

益荒雄は、およそ11年半のキャリアの後、1990年に引退しました。引退後は押尾川部屋で親方業を始め、その後阿武松部屋を創設しました。彼は、親方として若手力士の育成に尽力し、元小結・大晃から名跡を買い取って独立を果たしました。その後、審判委員に就任し、様々な役職を歴任しました。

日本相撲協会における功績

2018年には相撲協会理事に初当選し、重要な役職を担うこととなりました。特にドーピング防止のための取り組みや、新弟子検査の責任を持つことになり、精力的に活動していました。しかし、体調不良や高血圧の症状に悩まされ、最終的には2019年に退職を決意しました。

益荒雄という存在

益荒雄は、その華々しい戦績とは裏腹に、怪我による苦労が多く、幕内に在位可能な場所数は20と、最高位が関脇であった力士としては最も少ない記録を持ちます。しかし、十両での成績は卓越しており、実力を示した数々の名勝負はファンにとっても忘れがたいものです。

現在でも相撲界の影響を持ち続けている益荒雄広生の物語は、過去のリアルな闘志と情熱に満ちたものであり、多くの後輩力士たちにとっても良き手本とされています。

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