相模原市立相模原球場

相模原市立相模原球場は、神奈川県相模原市中央区の淵野辺公園内に位置する、相模原市が所有する野球場です。通称として淵野辺球場とも呼ばれます。

球場の施設管理および運営は、指定管理者制度に基づき、まち・みどり公社と東海体育指導のグループが行っています。

また、2011年4月1日からは施設命名権（ネーミングライツ）が導入されており、株式会社サーティーフォーが権利を取得したことで、「サーティーフォー相模原球場」という愛称が使用されています。

歴史

この球場は1986年9月30日、「神奈川県立相模原球場」として開場しました。開場以来、主に高校野球や大学野球といったアマチュア野球の公式戦が開催されてきました。また、独立リーグであるベースボール・チャレンジ・リーグ（BCリーグ）の公式戦も行われています。

プロ野球の試合としては、開場翌年の1987年3月にオープン戦として横浜大洋ホエールズ対南海ホークス戦が初めて開催されました。この試合では、地元相模原市出身の横浜大洋の選手である高木由一氏が、この球場におけるプロ野球公式戦・オープン戦を通じての第1号となる本塁打を放っています。以降、主に二軍の公式戦が開催されるようになりました。

かつて、日本ハムファイターズの二軍は、老朽化が進み観客設備も整っていなかった日本ハム球団多摩川グランドでイースタン・リーグ公式戦を行っていましたが、運営や観客サービスに課題があったため、1992年から相模原球場を主催公式戦の本拠地として使用するようになり、1996年まで利用しました。しかし、1997年に千葉県鎌ケ谷市に新たな球団施設（ファイターズ鎌ケ谷スタジアムなど）が完成したことに伴い、日本ハムは相模原から撤退します。その後は横浜ベイスターズ（当時）の二軍が年間数試合の主催公式戦を行うようになりました。ファーム関連の大きなイベントとしては、1994年にはジュニア日本選手権（読売ジャイアンツ対オリックス・ブルーウェーブ）が、1997年にはジュニアオールスターゲームがこの球場で開催されています。

一軍の公式戦が行われることは少なく、横浜ベイスターズが1998年9月8日に開催した対ヤクルトスワローズ戦が初めてでした。他にもオープン戦が数回開催されていますが、その開催はいずれも不定期です。また、この球場で開催されるプロ野球の試合は、たびたび悪天候に見舞われることがあり、さらにグラウンドの水捌けの悪さが影響して、試合の中止や開始遅延の原因となることが少なくありませんでした。

所有者が神奈川県から相模原市に移管されることになり、2008年度には県の負担でスコアボードの電光化などの改修が行われました。そして2009年4月1日からは、相模原市に管理が引き継がれ、「相模原市立相模原球場」に名称が変更されました。2009年頃からは、横浜DeNAベイスターズ二軍の準本拠地の一つとして、月に一度程度の主催試合が開催されていましたが、 later撤退しています。

大学野球においては、主に首都大学野球連盟や神奈川大学野球連盟が公式戦で使用しています。2016年からは東都大学野球連盟の2部リーグ戦でも利用されるようになりました。

独立リーグのBCリーグに2020年から新規加入した神奈川フューチャードリームスも、公式戦を開催する球場の一つとしており、加入初年度にはチーム主催試合の中で最多タイとなる7試合が行われました。

この球場では、ジェット風船を飛ばす行為は禁止されています。これは試合進行への影響を防ぐためだけでなく、球場の外野スタンド後方が住宅地であり、高校も立地していることから、周辺への風船の飛散を予防する目的もあると言われています。

施設命名権（ネーミングライツ）

相模原市は、新たな財源確保や市民サービスの向上を目指し、2010年8月に市の公共施設へのネーミングライツ導入方針を決定しました。その対象施設として、相模原市文化会館（グリーンホール相模大野）とともに当球場が選ばれました。当球場については、年額350万円以上、契約期間5年以上を条件に、2010年11月29日から2011年1月21日までスポンサーの募集が行われました。

公募期間中に3社からの応募があり、選定委員会による審査の結果、相模原市緑区に本社を置く住宅建設・不動産業者の株式会社サーティーフォーに優先交渉権が付与されることになりました。同社は年額611万円、契約期間5年という条件を提示していました。その後の交渉が進み、2011年3月24日に正式な契約が結ばれました。契約期間は2011年4月1日から2016年3月31日までの5年間とされました（契約更新の可能性も含まれていました）。これにより、球場の愛称は同社の社名を冠した「サーティーフォー相模原球場」に決定しました。なお、条例上の施設名称である「相模原市立相模原球場」は、愛称の使用期間中も変更されていません。最初の契約期間満了後、2016年4月1日にはさらに5年間の契約更新が行われています。

主なエピソード

先述のように、相模原球場で開催されるプロ野球、特に横浜DeNAベイスターズ（前身球団を含む）の主催試合は、雨天中止になるケースが多く見られます。

例えば、2001年6月7日に予定されていた横浜ベイスターズ対広島東洋カープ戦は、朝から雨が降り続き、試合開始直前には特に強まりました。試合続行可能な程度の雨量でも、水捌けの悪さが影響し、結局グラウンドの状態が悪く中止となりました。この試合以降、一軍公式戦は2002年に2試合組まれたのを最後に、一時この球場での開催が途絶えました。

2007年5月30日には、5年ぶりとなる一軍公式戦として、セ・パ交流戦の横浜対北海道日本ハムファイターズ戦が予定されていました。日本ハムにはファーム時代に相模原でプレーした選手もおり、彼らの“里帰り”としても期待されていましたが、スターティングメンバーは発表されたものの試合開始が見送られ、18時10分過ぎにこの試合も雨天中止となりました。これらの雨天中止試合は相模原での代替開催はなく、横浜スタジアムの予備日開催に変更されました。翌年の2008年8月12日には、横浜対東京ヤクルトスワローズの試合が、6年ぶりに無事開催されています。

野球以外のイベントとして、2004年10月2日には、相模原市出身のバンドであるキンモクセイの凱旋ライブが開催されました。

2011年4月には、東日本大震災後の電力供給状況を考慮し、電力消費の多い東京ドームに代わり、日中は自然光を利用でき、読売ジャイアンツ球場からも近いこの球場が代替球場として利用されました。これにより、読売ジャイアンツ対阪神タイガースの練習試合（無観客）や、読売ジャイアンツ一軍の全体練習が実施されました。

2017年には、10月下旬に横浜スタジアムで開催予定だった関東地区大学野球選手権大会が、横浜DeNAベイスターズのクライマックスシリーズ・日本シリーズ進出により、当球場が代替会場となりました。この大会は「横浜市長杯争奪」の冠大会として開催されています。

施設概要

グラウンド面積：14,600m²
両翼：95m、中堅：120m
収容人員：16,064人（内野席 8,064人、外野芝生席 8,000人）
スコアボード：電光式（LED使用）。2008年の改修以前はパネル併用部分がありました。過去にはアメリカンフットボールの試合も行われたため、アメフト式の得点表示部も備わっています。
照明設備：照明塔6基
付属施設：ひばり球場（少年軟式野球・ソフトボール用）

交通

小田急線・JR横浜線 淵野辺駅 南口より神奈中バス「（淵36・淵37）青葉循環」に乗車、「淵野辺公園」下車すぐ、または徒歩約30分。
小田急線 相模大野駅 北口より神奈中バス「（相05）相模原駅南口行」に乗車、「淵野辺公園」下車すぐ。

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