相澤嘉久治

相澤 嘉久治（あいざわ かくじ）

相澤嘉久治は、1934年4月22日に生まれた日本の劇作家および放送作家であり、放送作家名義では山形三吉として知られています。彼の出身地は山形県の東村山郡山辺町です。高等学校は山形県立山形南高等学校を卒業したものの、その後早稲田大学の第一文学部に進学するも中退し、演劇の世界へと進むこととなります。

相澤は1959年に東京芸術座の設立メンバーとして参加し、1969年にはこの劇団を退団しました。その後はフリーの劇作家や放送作家として活動をスタートさせ、1976年には故郷の山形に帰郷しました。帰郷後は、創設した総合芸術誌『場』の廃刊をきっかけに、マスコミの集中独占に対抗する運動に取り組むことになります。特に、山形新聞や山形放送（YBC）に対する批判的な立場から、月刊誌『V』を発行し、マスコミ集中排除の精神を広めようとしました。

相澤が発行人を務めた情報誌『うぃずY』は、1987年に「NTT全国タウン誌フェスティバル」で大賞を受賞し、その影響力を示しています。2009年には再び劇作活動を再開し、「月山が見ている」を執筆、上演しました。その後も2010年に「沖縄県伊江島を思う」を出版し、2015年には戯曲「伊江島」を改定稿として発表するなど、活動を続けています。

主な舞台脚本

相澤は数多くの舞台作品を手がけており、その中には以下のような作品があります。

• - 北方の記録（京浜協同劇団・東京芸術座などで上演）
• - 俺は雷（早乙女勝元原作、東京芸術座で上演）
• - 沖縄の海の底深く（望月優子と友達の会にて上演）
• - 若者たち（山内久との共同脚本、青年劇場などで上演）
• - ベトナムを見ている・沖縄（東京演劇アンサンブルにて上演）
• - 月山が見ている（2009年、「東京・前進座劇場」などで上演、主演は左右田一平）

主なテレビ台本

テレビ脚本としても多くの作品を残しており、次のような番組が含まれます。

• - 限りなき青春（日本テレビ）
• - 青島-ノックのワイドショー（日本テレビ）
• - 青島幸男のワイドショー（日本テレビ）
• - お昼のワイドショー（日本テレビ）
• - 11PM（日本テレビ）
• - 遠い道のりを（山梨放送、文部大臣賞受賞）
• - 昭和のやまがた（山形テレビ）

主な著書

相澤は1981年から1989年の間に、当時の山形新聞社社長である服部敬雄に対して批判を展開する書籍を数多く編著し、これらは後に『マスコミの集中排除運動の記録』（全5巻）としてまとめられました。著書には次のようなタイトルがあります。

• - 服部敬雄山形新聞社長・山形放送社長・山形テレビ相談役に問う！
• - 山形県民に訴える
• - 立ち上がった山形県民
• - 新しい山形の建設は…
• - 山形が変わった 一つの時代の終焉
• - 北越二十三人衆（民衆社）
• - 北方の記録-相沢嘉久治劇曲集I（場出版局）
• - 郷土に生きる（甲陽書房）
• - 草思庵から（いちい書房）

また、地域の文化や食に関する著作もあり、特にそば処についての選書や、メディアに対する鋭い視点を交えた書籍も手がけてきました。相澤嘉久治は、その多角的な活動を通じて、日本の演劇界とメディア文化に大きな影響を与えています。

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