相澤英之

相澤英之について

相澤 英之（あいざわ ひでゆき、1919年7月4日 - 2019年4月4日）は、日本における著名な大蔵官僚及び政治家であり、弁護士としても活動しました。彼は正三位を叙され、経済企画庁長官官房長、大蔵省理財局長など、様々な重要な役職を歴任。その政治キャリアは衆議院議員として9期にわたり、金融問題調査会長や金融再生委員会委員長などの要職にも就いています。さらに、東京福祉大学の学長も務めました。彼の妻は女優の司葉子であり、金融行政における影響力から「金融族のドン」と評されました。

生い立ち

相澤英之は大分県宇佐市に生まれ、鎌倉時代からの伝統ある家に育ちました。父は教育者であり、母も小学校の教師でした。教育環境に恵まれた彼は、神奈川県立横浜第一中学校から東京帝国大学法学部に進学し、ここで基盤となる知識を築きました。

官僚としてのキャリア

1942年に大蔵省に入省し、様々な業務を経験しましたが、陸軍への召集により、一時的に公務から離れることになります。終戦後、彼は大蔵省に復職し、主計局の主査として活躍。彼のキャリアの中で、主計局に長く留まることとなり、最終的には大蔵事務次官に昇進しました。

相澤は多くの局で勤務しながらも、金融当局への希望を持ち続けたが、様々な事情で実現には至りませんでした。これは彼の偶然の要素が多分に影響したと自ら振り返っています。1963年には、主計局内での異動が行われ、相澤は関税局ではなく法規課長に起用されました。これにより彼は主計局内での位置を確保しました。

政治家としての活動

1976年、相澤は衆議院に初当選。これ以降、9期連続で当選し、政治家としてのキャリアを築いていきます。彼は当初田中派に所属しつつも、政治的な状況に応じて無派閥を選択。その後、宏池会に入党し、様々な役職を兼任しました。1988年には、不祥事の責任をとって衆議院法務委員長を辞任し、1990年には経済企画庁長官として初入閣し、重要な政策に関与しました。

1998年には金融危機への対応として金融問題特別委員長に就任し、のちに自民党金融問題調査会長を務めるなど、金融政策において重要な役割を果たしました。2003年には衆議院議員総選挙での落選を経験し、政治活動から退くこととなりました。

議員引退後の活動

相澤は議員を引退した後も、多くの意義ある活動を続けました。大勇会の座長としての役割を果たしつつ、一般財団法人全国強制抑留者協会の会長として、シベリア抑留についての語り部としての活動も行いました。また、著書の執筆や大学の学長職を担うなど、多岐にわたる分野で活躍しました。

影響と遺産

彼の長い公職活動は、日本の経済や金融政策に多大な影響を及ぼしました。また、彼は自身の経験を基に多くの著書も残しており、特にシベリア抑留に関する回想は貴重な資料となっています。相澤英之は2019年4月に99歳で他界し、その生涯を通じて数々の役職を務め、影響力を持った人物として記憶され続けています。彼の経験や功績は、今でも多くの人々に感銘を与えています。

もう一度検索