相鉄12000系電車

相鉄12000系電車

相鉄12000系電車は、2019年4月20日に営業運転を開始した相模鉄道（相鉄）の通勤形電車です。本線・いずみ野線、そして相鉄新横浜線の一部区間とJR直通線での運用を想定して投入されました。

概要

相鉄デザインブランドアッププロジェクトの一環として、「安全×安心×エレガント」を開発コンセプトに掲げ、20000系に続きPRODUCT DESIGN CENTERがデザインを担当しました。その洗練されたデザインは高く評価され、2019年度のグッドデザイン賞を受賞しています。

車両の製造は総合車両製作所が担当。第1編成は2018年12月に搬出され、甲種輸送を経てかしわ台車両センターに到着しました。その後、撮影会や試乗会を経て、2019年4月20日に営業運転を開始し、平成最後の新型車両としてデビューを飾りました。

車両概説

JR線直通列車に使用されるため、JR東日本E233系電車と仕様が統一されており、11000系と同一の基本仕様となっています。

車体

E233系やE235系、11000系に準じた幅広車体のオールステンレス車両で、総合車両製作所製のsustina S24シリーズを採用。E235系と同様に雨どいが外側に出ない車体断面となっています。先頭部は、能面の「獅子口」をイメージした独特な形状で、「YOKOHAMA NAVYBLUE」の一色塗りが採用されています。

車内設備

灰色を基調とした落ち着いた雰囲気で、荷棚や袖仕切りには金属とガラスが多用されています。アシストレバー付きの車両間貫通扉や卵形つり革、個別ドアスイッチ、調色調光式LED照明、空気清浄機、Wi-Fi接続サービス機器、ユニバーサルデザインシート、車内鏡などが設置され、快適な車内空間を実現しています。

20000系との相違点としては、車内客車ドア上部のLCD、ラインデリアの設置位置、ユニバーサルデザインシート上の荷棚の有無、側窓のブラインドの有無などが挙げられます。また、本形式では初めて前方監視カメラおよび車内防犯カメラが採用されました。

乗務員室

運転台はグラスコックピット構造で、計器類や表示灯類は液晶モニターに表示されます。主幹制御器は左手操作式のワンハンドルマスコンで、車両情報制御装置にはJR東日本と同様のTIMSが採用されています。

主要機器

主要機器は埼京線のE233系7000番台に準拠しており、主制御器は三菱電機製のVVVFインバータ装置、制動装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ方式を採用しています。台車は軸梁式ボルスタレス台車で、主電動機は出力140 kWの三相かご型誘導電動機、集電装置はシングルアームパンタグラフを搭載しています。

導入時からの変更点

2019年11月30日のダイヤ改正で通勤特急と通勤急行が新設されたことに伴い、種別・行先表示器に内容が追加されました。また、女性専用車が4号車から海老名方先頭車へ変更され、自動放送装置の英語放送にナンバリング放送が追加されました。

運用

相鉄線内では特急・通勤急行・快速・各停に使用され、JR線直通の4運用は本系列のみで運転されます。2021年3月13日のダイヤ改正以降は、平日のみ池袋駅まで乗り入れています。

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