相馬師常

相馬師常について

相馬師常（そうま もろつね）は、鎌倉時代に活躍した武将であり、相馬氏の初代当主として知られています。千葉氏の一族であり、父は千葉常胤です。初めは師胤と名乗っていたと考えられています。師常には、相馬義胤、矢木常家、戸張行常といった子息がいました。

師常の出自については、平将門の次男とされる平将国が乱の後に信太郡に逃れ、信太氏を名乗ったという伝承があります。相馬家には、将国の子孫である信田師国が師常を養子に迎え、相馬家を継承したという系図が残されています。また、将国の子とされる信太小太郎文国は、幸若舞の信田のモデルになったとも言われています。

源平合戦と奥州合戦での活躍

師常は、父・常胤と共に源頼朝の挙兵に参加し、頼朝の弟・源範頼の軍勢に従って各地を転戦しました。文治5年（1189年）の奥州合戦にも参加し、その功績により頼朝から「八幡大菩薩」の旗を賜ったとされています。この活躍により、師常は武将としての地位を確立しました。

出家と最期

建仁元年（1201年）、父・常胤が亡くなったため、師常は出家し、家督を嫡男の相馬義胤に譲りました。出家後は法然の弟子となり、仏道に励んだと伝えられています。元久2年（1205年）11月、鎌倉の相馬邸で念仏を唱えながら亡くなったとされています。その信心深さから、師常の最期は鎌倉の民衆にも見守られたと言われています。

伝承と相馬氏の成立

『源平闘諍録』によると、師常は頼朝の最初の妻であった八重姫と、頼朝の計らいで後に結ばれたとされています。また、師常は平将門の子孫である信田師国（胤国の子）の養子となり、その遺領を相続したという伝承もあります。千葉氏の遠祖である平忠常の母は将門の次女であり、師常は信田氏と同族であるとされています。これらの伝承は、相馬氏の成立に大きな影響を与えたと考えられます。

相馬神社の建立

明治12年（1879年）には、師常を祀る「相馬神社」が福島県相馬市に建立されました。これは、師常の功績を称え、その歴史を後世に伝えるためのものです。

関連事項

相馬師常に関連する人物や事項として、相馬氏、平将門などが挙げられます。

これらの情報は、相馬師常の生涯と、彼が歴史に与えた影響を理解する上で重要な要素となります。師常は、武将としてだけでなく、仏教徒としても、また相馬氏の基礎を築いた人物としても、その名を歴史に刻んでいます。

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