相馬親胤

相馬親胤（そうま ちかたね）

概要

相馬親胤は、南北朝時代に活躍した武将であり、陸奥相馬氏の第7代当主です。生没年は不詳ですが、激動の時代を生き抜き、相馬氏の勢力拡大に貢献しました。幼名は孫次郎、官位は出羽権守、号は聖心と称しました。

生涯

相馬氏は、親胤の父である相馬重胤の時代に、下総国から陸奥国へと本拠を移しました。親胤も父に同行して陸奥へ下向したと考えられています。

1335年（建武2年）に父・重胤から家督を継承しました。その後、足利尊氏が建武政権に反旗を翻すと、親胤は尊氏の軍勢に加わりました。これは、千葉氏の家督を横領された千葉胤貞らが尊氏に従ったことと関係があると考えられています。当時の状況として、千葉氏では家督を巡る争いがあり、その中で親胤は尊氏方についたものと推測されます。また、下総相馬氏が南朝方であったことへの対抗という側面もあったかもしれません。

親胤は、箱根・竹ノ下の戦いなどで活躍し、尊氏に従って九州まで転戦しました。しかし、その間に東国では、南朝の北畠顕家と北朝の斯波家長が対立。親胤の父である重胤は北朝方として鎌倉で戦死し、本拠の小高城も落城、弟の光胤をはじめとする一族の多くが討ち死にするという悲劇に見舞われました。

親胤は、陸奥に帰国すると、子の松鶴丸（後の相馬胤頼）を擁して落ち延びていた相馬氏の残党と合流。顕家を破り、見事に旧領を回復しました。その後、親胤は北朝の奥州探題石堂氏や吉良氏の指示に従い、南朝の北畠顕信らと戦いました。

晩年は、1358年（延文3年）に出家・隠居したと推測されています。一時は下総の相馬郡の領有も許されていましたが、南北朝の争乱の中で失ったと考えられています。

相馬氏のその後

親胤の後は、子の胤頼が家督を継ぎ、その後、憲胤、胤弘、重胤と続きました。そして、重胤の子である高胤の代に、相馬氏は戦国大名として大きく発展することになります。

親胤は、激動の時代を生き抜き、相馬氏の存続と発展に大きく貢献しました。その生涯は、武将としての勇猛さと、一族を守り抜く不屈の精神を示すものと言えるでしょう。

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