真っ赤なLip

「真っ赤なLip」：WANDS再結成後初のシングル

2000年の解散後、新ボーカリスト上原大史を迎えて再始動したWANDS。21年ぶりのシングル「真っ赤なLip」は、2020年1月29日にリリースされました。この曲は、読売テレビ・日本テレビ系アニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマとして、同年1月4日から9月26日まで使用され、大きな話題となりました。公式サイトでは「スリリングで挑発的なロック・チューン」と銘打たれた本作は、マキシシングルとして発売され、通常盤と名探偵コナン盤の2形態が用意されました。

楽曲制作の舞台裏

表題曲「真っ赤なLip」は、ミステリアスで予測不能な展開を特徴とする『名探偵コナン』の世界観を、おしゃれで大人っぽい雰囲気の楽曲に落とし込みました。上原自身、複数のデモを作成した中で最後に完成させた楽曲であり、作詞に苦労したと語っています。ポップすぎず、ワイルドさも持ち合わせたサウンドは、初期のWANDSサウンドを彷彿とさせつつ、現代的なアレンジが加えられ、90年代の懐かしさと2020年代の新鮮さが融合した仕上がりとなっています。

「真っ赤なLip」というタイトルは、様々な人に意見を求め、2週間かけて決定したもの。コナンのイメージカラーである赤との偶然の一致も話題を呼びました。上原は、どんなにポップな曲でもクールに歌い上げるのがWANDSの伝統だとし、その点を意識して歌唱に臨んだと述べています。作曲を担当した大島こうすけ（第1期・第4期メンバー）の才能も光る楽曲で、複雑なメロディと洗練されたコードワーク、ダイナミックなベースラインが特徴的です。ブラスセクションは『Earth, Wind & Fire』のような雰囲気を醸し出し、幅広い世代のリスナーに響く仕上がりとなっています。ギターソロは、当初はキーボードとの掛け合いを予定していたフレーズがそのまま採用されたというエピソードも興味深いです。

カップリング曲と新録

通常盤には「時の扉」の、名探偵コナン盤には「もっと強く抱きしめたなら」のWANDS第5期バージョンがそれぞれ新録で収録。過去のヒット曲を現在のサウンドで再解釈したこれらの楽曲も、大きな聴きどころです。メンバーは、当時のアレンジを尊重しつつ、今のWANDSらしさを表現することにこだわったと語っています。レコーディング環境の変化も考慮し、20年前とは異なるサウンドで新たな魅力が加えられています。

アートワークとプロモーション

2019年12月21日にはジャケットアートワークが公開。名探偵コナン盤は、真っ赤なリップをつけた毛利蘭と、その姿にドキッとする工藤新一のイラストが採用され、話題を呼びました。さらに、本作にはAR企画も用意され、ジャケット写真にスマートフォンをかざすと、「真っ赤なLip」に合わせて踊る江戸川コナンが登場する仕掛けが施されています。発売前の2019年11月17日には『DFT presents 音都 ONTO 〜NEOROCK from KANSAI〜』で先行披露され、大きな反響を呼びました。ミュージックビデオは、WANDSのオフィシャルYouTubeチャンネル、そして『名探偵コナン』公式チャンネルでも公開され、コナンが「真っ赤なLip」に合わせて踊るダンス動画も制作されました。

チャート成績と収録アルバム

「真っ赤なLip」はオリコンチャート、Billboard JAPANチャートで上位にランクイン。オリコン週間シングルランキングでは14位、ROCKシングルランキングでは2位を獲得するなど、高い人気を証明しました。また、テレビアニメ「名探偵コナン」の放送1000回を記念したプロジェクト「The Best of OPED」で1位を獲得するなど、大きな成功を収めました。この曲は、『THE BEST OF DETECTIVE CONAN 6 〜名探偵コナン テーマ曲集6〜』、『BURN THE SECRET』といったアルバムにも収録されています。

まとめ

「真っ赤なLip」は、再結成WANDSの新たな出発点となった、記念碑的なシングルと言えるでしょう。初期WANDSのテイストを踏襲しつつ、現代的なサウンドに昇華された楽曲、そして『名探偵コナン』とのコラボレーションによる話題性は、多くのリスナーを魅了しました。楽曲制作秘話やメンバーのコメント、そしてプロモーション活動など、多角的な視点から本作を紐解くことで、その魅力をより深く理解できるでしょう。

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