真・女立喰師列伝

作品概要

『真・女立喰師列伝』（しん おんな たちぐいし れつでん）は、2007年11月10日に公開された日本の劇場用オムニバス映画です。監督は押井守を始め、神谷誠、神山健治、湯浅弘章、辻本貴則という多彩な顔ぶれが揃い、それぞれが異なるエピソードを手がけています。

制作の経緯

この作品は、押井守が『女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀 -パレスチナ死闘篇-』の制作を終えた後にシリーズ化を決意したことから始まりました。彼は渋谷のHMVで開催されたトークショーで計画を発表し、同時に『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』の制作と並行して撮影を進めていたと言われています。

押井のアプローチは、アニメ要素を極力排除し、実写を中心に据えた作品としての新たな視点を提供しています。

スタッフとキャスト

原作・総監修は押井守が務め、その他にも音楽は川井憲次、音響監督は若林和弘が担当しています。主題歌とエンディングテーマは樹海が歌い、タイトルの題字は鈴木敏夫が手掛けています。

作品は各監督により多様なスタイルで構成されており、たとえば、押井が手掛けた「金魚姫 鼈甲飴の有理」では、ひし美ゆり子が主演。この役に関して彼女は一度出演を断ったものの、押井からの「芝居はしなくていいから、出演してほしい」という言葉で出演に至りました。

同様に、辻本貴則が監督した「荒野の弐挺拳銃 バーボンのミキ」では水野美紀が東京の荒野を背景に魅力を振りまきます。

各エピソード

作品には、他にも「Dandelion 学食のマブ」（神山健治監督）、そして「草間のささやき 氷苺の玖実」（湯浅弘章監督）など、多彩なエピソードが存在します。特に「クレープのマミ」は、押井守が過去に製作したアニメ『うる星やつら』にも関連するキャラクターを含んでおり、観客にとって楽しみな要素となっています。

また、押井が手がけた「ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」は、予算を全て衣装やセット、CGに注ぎ込み、佐伯日菜子一人が主演。そのため本編のほとんどがCGで制作されています。

受賞歴

この映画は様々な映画祭で評価されており、第20回東京国際映画祭の「日本映画・ある視点部門」に公式出品されたほか、第58回ベルリン国際映画祭の「食と文化」部門にも招待上映されています。

結論

『真・女立喰師列伝』は、実写とファンタジーを融合させた新感覚のオムニバス映画であり、押井守の独自の視点とスタイルが存分に発揮されています。この作品は、映像作品としての楽しみだけでなく、各エピソードを通じて様々な文化や社会問題について考察するきっかけにもなっています。

もう一度検索