真壁城

真壁城の詳細

真壁城（まかべじょう）は茨城県桜川市真壁町古城にあった戦国時代の平山城です。この城は、大掾氏の一族・真壁氏によって代々支配され、現在では国の史跡に指定されています。城は真壁駅跡の東側に位置しており、加波山系の足尾山西麓に築かれた台地の上に造られています。

城の構造と歴史

真壁城は連郭式の平城であり、その特徴は本丸の周囲を囲む二ノ丸と、東側に位置する三の郭と四の郭にあります。さらに城の外郭南東部には鹿島神社が存在しています。一方、城の南北には湿地や川があり、これらが防御の役割を果たしていました。古代には真壁郡家が存在したとされ、真壁郡において重要な中心地となっていました。

築城は承安2年（1172年）と言われており、大掾直幹の子・長幹によって真壁郡に入った際に真壁氏が名乗り、郡家の場所に城を築いたとされています。この城が文献上に初めて登場したのは、興国2年（1341年）12月のことで、南朝の城として北畠親房の書『御方城々』に記されています。しかしその後、真壁氏は北朝方に属し、地頭職を有していました。

応永30年（1423年）、真壁慶幹が小栗満重の乱に参加した結果、足利持氏軍によって城は落城しました。その後の混乱の中で慶幹の従兄弟である朝幹が復権し、真壁氏は再び城を取り戻すことができました。その後、17代の久幹の時代に次男の義幹が柿岡城に分家し、18代においては甥の房幹に家督を譲ったため、真壁城は真壁本家の城ではなくなりました。

慶長7年（1602年）に佐竹氏の秋田転封に伴い、真壁氏も出羽の角館へ移住したため、真壁城は一時的に空城となりました。その後、慶長11年（1606年）に浅野長政が真壁藩として5万石を与えられ、同16年（1611年）には長政の後を継いで浅野長重が入城しました。しかし、元和8年（1622年）には加増されつつも、長重が常陸笠間城に移動することとなり、これにより真壁城は廃城となってしまいました。

現在の真壁城

真壁城の一部である薬医門は現存しており、楽法寺黒門や個人宅の表門として移築されています。縄張りの本丸以東は比較的良好な状態で残っていますが、二の丸の西側や外郭の大部分は市街地化により消失しています。城域であった真壁町古城地区の西側には「大手前」という地名が残っており、この地がかつての大手だったという伝承があります。

城の中枢部は、旧真壁町立体育館が本丸跡に建設されており、二の丸跡には残土が盛られています。このことから、遺構の保存状態はあまり良好ではありません。建物遺構についても、多くは痕跡のみが残っている状態です。1934年には本丸の一部が茨城県指定史跡として認定されましたが、1994年には国の史跡に指定され、現在でも発掘調査が継続されています。

1997年以降の発掘調査では、外曲輪の土塁や壕の復元が行われ、さらに中城（三の郭）においては、池や水路を伴う大規模な庭園の遺構が発見されました。これらの遺構には茶室や能舞台と考えられる建物群の痕跡もあり、その規模は茨城県内でも最大級と見られています。真壁城の歴史は、地域の文化遺産として今後も注目され続けるでしょう。

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