真宗 (宋)

真宗（しんそう）

真宗は、北宋の第3代皇帝（在位：997年 - 1022年）であり、諱は徳昌から恒へと改められました。太宗の文治主義を継承し、文化や経済の発展に尽力しましたが、軍事力の弱体化、澶淵の盟、道教に傾倒した政策など、その治世は複雑な側面を持っています。

治世

真宗は即位後、太宗の方針を受け継ぎ文治主義を推進しましたが、その結果として軍事力の低下を招きました。咸平2年（999年）には、西夏と結んだ契丹の聖宗による南征を受けます。景徳元年（1004年）には、聖宗と摂政の承天太后が親征を行い、大軍を南下させました。この事態に宋朝は動揺し、遷都を主張する官僚もいましたが、寇準は徹底抗戦を主張し、真宗は親征を決意します。

澶州（現在の河北省濮陽市）での膠着状態の後、宋は西夏との関係も考慮し、契丹との和議を選択します。寇準の反対を押し切り、澶淵の盟が成立。これにより宋は契丹に毎年銀と絹を贈る代わりに、和平を維持することとなりました。この和議は西夏にも影響を与え、後に宋との和議が結ばれました。

しかし、真宗は寇準を讒言によって罷免し、泰山での封禅や宮殿造営など、国威発揚を目的とした事業を推進。これらは国費を消耗させ、後世の批判の対象となりました。

内政面では、占城稲を江南各地に広めたことが特筆されます。占城稲は、風水害に強く短期間で栽培が可能であり、江南以南の地域における二毛作や二期作を可能とし、農業生産を飛躍的に増加させました。このことが、後の江南の高い農業生産力の基礎を築いたとして評価されています。

乾興元年（1022年）に真宗は崩御しました。

道教との関係

真宗の治世において、道教は重要な役割を果たしました。大中祥符元年（1008年）には、天書事件を契機に改元と封禅が行われました。真宗は、太宗代から重用されていた道士の張守真を尊崇し、称号を与え、その像を建てました。

道教の振興に力を入れた真宗は、道士への免税や道観の建築を奨励し、道蔵の整理を行わせました。天禧3年（1019年）に完成した道蔵は『大宋天宮宝蔵』と名付けられました。

家族

真宗には多くの后妃と子がいました。皇后としては、章穆皇后郭氏、章献明粛皇后劉氏がいました。皇子には、早世した悼献太子趙祐や、第4代皇帝となる仁宗趙禎がいます。また、多くの皇女もいました。

宰相

真宗の在位中には、呂端、張斉賢、李沆、呂蒙正、向敏中、畢士安、寇準、王旦、王欽若、丁謂、李迪、馮拯らが宰相を務めました。

評価

真宗の治世は、文治主義の推進による文化・経済の発展と、澶淵の盟による和平維持という功績がある一方で、軍事力の弱体化、道教への傾倒、国費の浪費など、負の側面も存在します。そのため、真宗の評価は一概には定まっていません。

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