真盛寺

真盛寺の概要

真盛寺（しんせいじ）は、東京都杉並区梅里一丁目にある寺院で、天台真盛宗の東京別院として知られています。寺の創設者は真盛上人で、その伝統は今も受け継がれています。

歴史

真盛寺の歴史は寛永8年（1631年）に始まります。この年、伊賀国（現在の三重県）出身の真観上人が、当初は文京区湯島に寺を建立しました。その後、1683年の天和3年には台東区谷中に移転し、さらに1688年には本所区中之郷（現在の墨田区横川）に移動しました。そして1922年に現在の地に定着しました。なお、真盛寺は延宝元年（1673年）に三井高利が創業した越後屋の菩提寺ともされ、「三井寺」と呼ばれることもあります。その境内は杉並区内において第3位の広さを誇ります。

大相撲との関連

真盛寺は、大相撲とも深い関係があります。昭和20年3月10日の東京大空襲により、周辺の相撲部屋がほとんど消失しましたが、その後、玉ノ海を率いる二所ノ関部屋が真盛寺に間借りすることになりました。また、周囲の火災から真盛寺を守るため、力士たちが消火活動に尽力しました。

翌日、焼け出された双葉山が真盛寺に一ヶ月ほど身を寄せ、さらには昭和21年10月に大ノ海が第45代横綱となる若ノ花を真盛寺に迎え入れました。若ノ花は、のちに大関琴ヶ濱とも関わることになります。このように、真盛寺は華やかな相撲界の歴史の一部としての役割を果たしてきたのです。

その後、二所ノ関部屋は昭和25年に両国に戻りましたが、大ノ海は杉並に留まり、若ノ花を連れて分家独立し、杉並区阿佐ヶ谷に花籠部屋を設立しました。これにより、真盛寺は花籠部屋や二子山部屋に関連した「阿佐ヶ谷勢」発信の地ともなりました。

施設・史跡

真盛寺には、いくつかの重要な施設や史跡があります。以下は主なものです：

• - 本堂：安永5年（1776年）に建立。
• - 元三大師堂：文政3年（1820年）に建立。
• - 中玄関書院：慶応元年（1865年）に建立。

これはすべて本所に設置されていたものを移築したものです。また、客殿・庫裡は明治天皇の行幸に対応するため、細川侯爵邸を譲り受け、目白高田老松町（現在の豊島区）から移転したものです。

アクセス

真盛寺へ行くには、東京メトロ丸ノ内線の東高円寺駅から徒歩約8分です。また、東高円寺駅や新宿駅、阿佐ヶ谷駅からは都営バス（宿91系統・渋66系統）を利用し、「セシオン杉並前」で下車後、徒歩2分で到着します。ただし、境内は一般公開されていないため、訪問を検討する際には注意が必要です。

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