矢作神社 (岡崎市)

矢作神社（やはぎじんじゃ）の概要

矢作神社は愛知県岡崎市の矢作町に位置し、主祭神として素盞嗚尊（すさのおのみこと）を祀っています。この神社は歴史的に見ても古く、比較的小さいながらも地域の信仰の中心地として多くの参拝者を迎えてきました。特に秋に開催される大祭では山車の引き回しが行われ、地元の人々にとって欠かせないイベントとなっています。

歴史

矢作神社の由緒は、315年頃（景行天皇の時代）に遡ると言われています。その逸話には、日本武尊が東夷征伐の際に、地元住民から賊の退治を依頼されたことが含まれています。日本武尊は矢を作るために、地元の矢作部に竹を採取するよう命じましたが、竹は急流の中州に生えていて、彼らはたどり着けませんでした。そんな中、一匹の蝶が現れ、なんと人間の姿に変わり、竹を切り取ってきたと伝えられています。この竹を使って矢作部は1万本の矢を作り、その後日本武尊は素戔嗚尊を祀り、賊を討つことに成功しました。この伝説により、神社の名は「矢作神社」となったのです。

さらに、この神社には歴史的な出来事がたくさんあります。例えば、1083年には源義家が陸奥守として奥州に向かう途中に神社に参拝したとされています。また、1335年、新田義貞が足利尊氏との戦いの勝利を祈願した際、神社の前にあった石が唸ったという話があり、その石は「うなり石」として祀られています。

南北朝時代には、兵火によって神社が焼失するものの、岡崎城の城主であった松平広忠が祠を再建しました。しかし、再建後も天正年間には堤防の崩壊により流失し、最終的には宝珠稲荷に合祀されました。

また、1802年には「牛頭天王」と記載されており、明治時代の神仏分離令によって牛頭天王は素戔嗚尊に改められました。

文化財

矢作神社には岡崎市の有形文化財として認定されている物件がいくつか存在します。また、大正時代には日本海軍の防護巡洋艦「矢矧」の艦長や乗員が正式に参拝し、大正11年には艦の模型が奉納され、今も在り続けています。この艦内にも矢作神社の分霊が祀られていることから、神社と海軍の深い関わりが伺えます。

縁結びの神社

矢作神社は又、恋愛成就や縁結びの信仰も持たれています。境内には、風情のある場所が多く、訪れる人々は神社の静けさの中で願いを込めることができます。

参考文献

• - 『新編岡崎市史』
• - 『大日本帝国海軍　巡洋艦「矢矧」について』（小林清司編著）

外部リンク

• - 岡崎市観光協会

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