矢嶋長次

矢嶋長次の生涯

矢嶋長次（やじま ちょうじ）は、日本のヤクザ界の重要人物であり、主に山口組直参として知られています。彼は1936年6月9日に兵庫県明石市で生まれ、2019年10月20日に亡くなりました。矢嶋は初代矢嶋組の組長を務め、後に二代目森川組の組長としても名を馳せました。

幼少期と結婚

矢嶋は博徒の息子として生まれました。父親の影響で、彼もまた博打に手を染めるようになります。矢嶋は全国を放浪しながら経験を積んでいく中で、愛媛県今治市を拠点としていた森川組の森川鹿次との出会いが、彼の人生に大きな影響を与えることになります。1955年、森川鹿次の娘・栄子と結婚し、矢嶋組を設立します。

山口組との関係

1960年には三代目山口組の田岡一雄組長から盃を受け、山口組の直参となります。この時期から、矢嶋は多くの抗争や事件に巻き込まれることになります。

抗争と和解

1963年、森川鹿次の若衆が刺殺された事件が発端となり、矢嶋組は原田組との抗争を引き起こします。しかし、矢嶋長次は冷静に対話を試みて、抗争を回避することに成功します。このような交渉能力は、彼の評価を高める要因となりました。

その後も様々な抗争を経て、松山においての一連の暴力事件を収束させる役目を担い、矢嶋組は時折親戚の組との抗争や和解を繰り返していました。特に1964年の第1次松山抗争では、彼の手腕が試されました。この抗争は、彼が逮捕されるきっかけとなります。

刑務所生活と影響

矢嶋長次は、1968年に実刑判決を受けて福島刑務所で服役します。この獄中で彼は三代目共政会の会長と知り合い、出所後も彼の人脈はヤクザ界での地位を確立させる助けとなります。1972年に出所した後は、再び組織の運営に本腰を入れます。

組織の継承

1973年には、森川鹿次が後継者を選ぶ際に矢嶋と森川隆の間で悩んだ結果、矢嶋長次が後継者として選ばれました。これにより、森川組は矢嶋組と合併し、彼は二代目森川組の組長となります。この新たな地位を得て、彼は自身の組の発展に寄与していきます。

晩年と引退

1981年に森川鹿次が亡くなった後、長次は組をまとめていたが、1989年には山口組から脱退し、引退します。その後も矢嶋は自らの経験を生かし、メディアのインタビューなどに応じていました。

まとめ

矢嶋長次は、日本のヤクザ界において重要な役割を果たした人物です。彼の人生は抗争や和解の連続であり、その中で培った人脈と手腕は、多くの人に影響を与えました。彼の生涯は、戦後日本のヤクザ界の歴史を象徴するものでもありました。

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