矢田次夫

矢田次夫

矢田次夫（やだ つぎお、1923年5月1日 - 2012年4月24日）は、日本の海軍軍人、そして海上自衛官でした。最終階級は海将。

生涯

鳥取県倉吉市出身の矢田は、旧制倉吉中学校を経て海軍兵学校に進みました。太平洋戦争中は潜水艦乗りとして数々の作戦に参加し、終戦時は当時世界最大であった潜水艦「伊四〇一」に乗り組んでいました。終戦後、横須賀に帰港した際、乗組員は米軍の捕虜となり、収容所生活を余儀なくされました。その後、復員局に召集され復員輸送業務に携わりましたが、公職追放の対象となりました。

1952年、海上警備隊に入隊し、海上自衛隊では海幕防衛部長、佐世保地方総監、自衛艦隊司令官といった要職を歴任、第13代海上幕僚長に就任しました。さらに、第13代統合幕僚会議議長も務めるなど、自衛隊の要として活躍しました。

退官後は三菱重工業の顧問などを務め、1993年には勲二等瑞宝章を受章。2012年4月24日、虚血性心不全により88歳で死去。正四位が贈られました。

年譜

1940年（昭和15年）12月1日：海軍兵学校入校
1943年（昭和18年）
9月15日：海軍兵学校卒業（第72期）、海軍少尉候補生、戦艦「伊勢」乗組
11月15日：戦艦「扶桑」乗組
1944年（昭和19年）
3月15日：海軍少尉に任官
4月15日：海軍潜水学校附
5月1日：海軍潜水学校普通科学生
8月9日：「伊号第三十七潜水艦」乗組
9月15日：海軍中尉に進級
12月1日：「伊号第四百一潜水艦」艤装員
1945年（昭和20年）
1月8日：「伊号第四百一潜水艦」乗組（砲術長）
6月1日：海軍大尉に進級
10月6日：呉鎮守府附
11月1日：「第三十六号海防艦」乗組
11月30日：予備役に編入、充員召集
1947年（昭和22年）
1月20日：舞鶴地方復員局舞鶴運航部勤務
11月7日：復員事務官を退官
11月28日：公職追放仮指定
1952年（昭和27年）7月：海上警備隊入隊（1等海上警備士）
1966年（昭和41年）7月1日：1等海佐に昇任
1968年（昭和43年）1月16日：海上幕僚監部防衛部防衛課編成班長
1970年（昭和45年）2月16日：第1駆潜隊司令
1971年（昭和46年）4月1日：海上幕僚監部防衛部防衛課長
1973年（昭和48年）7月1日：海将補に昇任、第4護衛隊群司令
1974年（昭和49年）7月1日：統合幕僚会議事務局第5幕僚室長
1976年（昭和51年）
3月16日：海上幕僚監部防衛部長
7月1日：海将に昇任
1977年（昭和52年）7月1日：第16代 佐世保地方総監に就任
1979年（昭和54年）2月1日：第20代 自衛艦隊司令官に就任
1980年（昭和55年）2月15日：第13代 海上幕僚長に就任
1981年（昭和56年）2月16日：第13代 統合幕僚会議議長に就任
1983年（昭和58年）3月16日：退官
1993年（平成05年）11月3日：勲二等瑞宝章受章
2012年（平成24年）4月24日：虚血性心不全のため死去、叙・正四位

栄典

* 勲二等瑞宝章 - 1993年（平成5年）11月3日


矢田次夫は、激動の時代を生き抜き、日本の防衛に尽力した人物として、その功績は永く記憶されるでしょう。

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