矢野 (広島市)

矢野の概要

矢野（やの）は、広島市安芸区の南部に位置する地域で、広島市へ編入される前は安芸郡矢野町でした。広島市内で最も人口が多く、2023年6月の時点で28,716人が暮らしています。矢野には、安芸区矢野の飛び地及び矢野新町二丁目の飛び地が含まれており、周囲は安芸郡や呉市に囲まれた状態で存在しています。このため、他の広島市域とは陸続きではなく、飛び地という特殊な地理的条件を持つ地域となっています。

地理的特性

交通の便は良好で、JR矢野駅から広島市中心部まで約13分でアクセス可能ですが、周囲の町との合併が進んでいないため、現在も飛び地の状態が続いています。この地域は、東側に熊野町、西側に坂町、南側には呉市、北側には海田町が隣接しており、北側の飛び地は瀬戸内海上の南区向洋とも接しています。

町名と地域の分け方

矢野は、その全ての町名に「矢野」を冠していますが、具体的には矢野新町、一丁目、二丁目、矢野町、そして矢野西や矢野南といった名前が付与されています。

歴史

矢野の歴史は古く、縄文時代から人々が居住し、土器や石器の遺物が発見されています。平安時代には矢野城が築かれ、城下町として栄えました。1335年には、矢野城が攻め落とされ、多くの人々が戦乱に巻き込まれる一幕がありました。その後も武将や領主が支配権を巡って争いを繰り広げ、1554年には毛利元就が矢野城を攻撃し、城は廃城となりました。

江戸時代には漁港としての役割も果たし、明治時代には各地の教育機関への影響を与える存在ともなりました。また、1945年の原爆投下の際、矢野は比較的被害を免れました。

産業と名所

かつてはかもじの産地として有名で、明治時代から昭和初期にかけて多くの業者が存在しました。名所には矢野城や多家神社、愛宕社などがあり、愛宕社は若者の間で人気の夜景スポットとなっています。これらの神社は地元の人々に大切にされ、年中行事や祭事でも賑わいます。

交通

矢野へのアクセスはJR呉線の矢野駅や広電バスが整備されており、広島市中心部と繋がっています。主な道路は国道31号、広島県道34号や276号と多岐に渡ります。

教育機関

地域には広島市立矢野小学校、矢野中学校、さらには県立安芸南高等学校があります。教育環境も充実しており、子供たちの学びを支えています。

祭りとイベント

特に人気のある祭事として、尾崎八幡神社の秋季大祭（通称鬼まつり）があり、多くの人々が露店や行事を楽しむ姿が見られます。

有名人

この地区からはさまざまな著名人が輩出されており、プロスポーツ選手や芸術家などが名を馳せています。こうした文化的背景も矢野の魅力の一つです。

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このように、矢野は歴史的にも自然環境にも恵まれた地域で、多様な文化が共存しています。地域住民の生活や文化が色濃く反映されているこの場所は、広島の一部として歴史を刻み続けています。

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