矢野機

矢野 機について

矢野 機（やの はかる）は、1887年3月27日に東京府で生まれ、1992年2月10日に逝去した日本の陸軍軍人です。彼の最終階級は陸軍中将であり、その軍歴においては様々な職務を歴任しました。

幼少期と教育

矢野は陸軍主計監である矢野正躬の長男として、千葉県に本籍を持って育ちました。成城中学校で初等教育を受けた後、東京陸軍地方幼年学校と中央幼年学校を経て、1905年11月に陸軍士官学校第18期を卒業しました。卒業後の1906年6月には歩兵少尉に任命され、歩兵第12連隊に配属されます。

軍歴の初期

その後、1913年11月に陸軍大学校第25期を卒業。彼は教育総監部付や歩兵第12連隊の中隊長を経て、第8師団の参謀、さらにスイス駐在やチェコスロバキア駐在など国際的な任務も担当しました。1925年8月には東宮武官兼侍従武官に就任。その後も侍従武官、教育総監部庶務課長、歩兵第6連隊長などを歴任し、1934年3月には陸軍少将に昇進しました。

満州事変とその後の経歴

満州事変後は歩兵第8旅団長として満州に出征。その後は関東憲兵隊司令部に配属され、二・二六事件の際には憲兵司令部総務部長として治安維持に与力しました。第3師団司令部付となり、1937年3月には予備役に編入。しかし、翌年7月には再召集を受け、歩兵第25旅団長として活動しました。

1940年2月には召集が解除され、その年の8月には陸軍中将に昇進。このように、彼の軍歴は多岐にわたり、特に戦争や政情不安定な時代において重要な役割を果たしました。

戦後の生活

1942年4月には大日本翼賛壮年団の千葉団長に就任し、1943年8月には歩兵学校の嘱託としても貢献しています。1944年10月には再度召集を受け、歩兵学校校長としての重要な役割を果たしました。1945年12月に召集は解除され、その後の1947年11月28日には公職追放仮指定を受けることとなります。

親族関係

矢野の家系もまた軍人としての伝統があります。義父は陸軍少将の伊崎良煕、娘婿は陸軍少佐の金子中二、従弟は陸軍中将の綾部橘樹となっています。このように、彼の家族は陸軍との深い関係を持っており、矢野自身もその一翼を担う形で生涯を全うしました。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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