短腸症候群

短腸症候群について

短腸症候群（たんちょうしょうこうぐん、英: short bowel syndrome）は、小腸の長さが短くなり、栄養や水分の吸収が困難になる病気です。この病気は、吸収不良症候群の一種で、腸の表面積が減少することで、体に必要な栄養素や水分をうまく取り込むことができなくなります。

原因

この病気は、先天的な要因によって引き起こされる場合もありますが、多くは手術による小腸の大規模な切除が原因です。小腸を切除する理由には、新生児壊死性腸炎やヒルシュスプルング病、上腸間膜動脈血栓症、クローン病などの重篤な疾患が含まれます。これらの病気により、腸の一部が機能しなくなり、その結果として短腸症候群が発症することがあります。

症状

短腸症候群の主な症状には、水様性下痢や腹部の膨満感があります。これに加え、栄養失調や体重減少も見られることが多いです。特に、これらの症状は食事を摂取した際に悪化する傾向があります。また、切除された小腸の部位や残された腸の長さによって、栄養失調の症状や重篤度は異なります。

たとえば、十二指腸を失った場合、鉄分の吸収が困難になり、鉄欠乏性貧血が生じやすくなります。回腸が短くなることにより、ビタミンB12の吸収が不十分になり、巨赤芽球性貧血を引き起こす可能性があります。さらに、免疫力が低下することで感染症や尿路結石といった合併症も発生することがあります。

治療法

短腸症候群の治療法は、小腸の残存部分がどれくらいあるかに応じて異なります。小腸がある程度残っている場合、食事の量を減らし、食事の回数を増やす方法がよく取られます。食事内容にも注意が必要で、糖分を控えたり、消化が難しい食品を避けることなどが推奨されます。また、必要に応じてサプリメントを用いる場合もあります。

一方で、小腸の大部分が切除された場合には、点滴を用いて静脈から栄養を補給することが必要になることがあります。しかし、長期にわたる点滴療法は感染症のリスクを伴うため、できるだけ早く経口からの栄養補給に移行することが望ましいとされています。

まとめ

短腸症候群は、腸の機能が大幅に制限されるため、治療が重要です。早期の診断と適切な治療により、患者の生活の質を向上させることが可能です。この疾患について正しい知識を持つことは、理解やサポートに役立ちます。

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