石井広三

石井広三の生涯とボクシングキャリア

石井広三（いしい こうぞう）、1977年8月15日生まれ、2012年7月5日に生涯を閉じた彼は、日本のプロボクサーであり、天熊丸木ボクシングジムの所属選手でした。彼はOPBF（東洋太平洋ボクシング連盟）スーパーバンタム級の王座を獲得したことで知られています。

来歴

彼は三重県桑名郡木曽岬町で生まれ、弥富高等学校に野球の推薦で入学しましたが、学校の上下関係に馴染めず、わずか1年で中退しました。その後、実家の建築業を手伝いながら、辰吉丈一郎の姿に憧れを抱き、ボクシングを始めます。天熊丸木ボクシングジムに入門し、ボクサーとしての道を歩むこととなりました。

1995年7月15日、石井はデビュー戦を迎え、岡田孝生相手に2回TKO勝ちを収め、フェザー級で華々しいスタートを切ります。しかし、1996年11月2日には新人王トーナメントで西部代表のパンサー柳田に敗北し、思うようには進まない時期を迎えます。

連勝街道と王座獲得

この敗北を糧に、彼は以降14連勝を記録し、その内11試合ではKO勝利を挙げました。1999年8月8日、石井は空位のOPBFスーパーバンタム級王座決定戦に出場し、ディノ・オリベッティを初回KOで下し見事に戴冠しました。これは東海地方のジムにとって初めての東洋王者の誕生でした。

同年11月21日には、WBA世界スーパーバンタム級王者のネストール・ガルサに挑戦しました。この試合は非常に接戦となり、11ラウンドを終えた時点ではスプリットデシジョンで1-1となりましたが、最終ラウンドでガルサに逆転され、TKO負けを喫しました。 これは1999年の年間最高試合とも評され、多くのファンの記憶に残る対戦となりました。

世界挑戦と引退

ガルサ戦後、彼は続けて2連勝を収め、更なる世界挑戦を目指していましたが、当初対戦予定だったWBA世界スーパーバンタム級暫定王者アントニオ・セルメニョが逮捕され、試合は幻に。代わりに開催された暫定王者決定戦ではヨベル・オルテガと対戦し、11回TKOで敗れてしまいました。これにより、王座獲得の夢はまたしても遠ざかります。

2003年、石井はWBC世界スーパーバンタム級王者オスカー・ラリオスに挑戦。しかし、2回TKOで敗れ、翌年には日本王者中島吉謙への挑戦が予定されていましたが、椎間板ヘルニアのため試合を欠場し、最終的に引退を決意します。

引退後の活動と突然の死

引退後は天熊丸木ボクシングジムでトレーナーとして経験を積み、その後独立して桑名市でKOZO BOXING FITNESS GYMを開設し、後進の育成に力を注ぎました。しかし、2012年7月5日に急逝し、享年34歳という若さでした。関係者によれば、死因は交通事故であったと言われています。

彼が生前に指導した中谷潤人は、2020年11月にWBOフライ級世界王者となり、石井の長年の夢であった世界王座の実現となりました。石井広三の名は、今もボクシング界にその足跡を残しています。

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