石井忠次

石井 忠次の生涯

石井忠次（いしい ただつぐ）は、戦国時代に活躍した武将であり、肥前国を拠点とする龙造寺氏の重臣として知られています。彼の通称は新右衛門尉であり、いくつかの史料では新左衛門尉とも記されています。忠次は、父である忠繁の受領名を引き継いで石見守を名乗ったため、彼の父から直接の道筋を持つ嫡男とされます。母親は佐賀藩の創始者である鍋島直茂の従姉にあたります。また、後に佐賀藩の家老となる鍋島茂里および鍋島茂賢の祖父にあたるのも興味深い点です。

幼少期と家族背景

忠次は、龍造寺氏の家臣、石井石見守忠繁の次男として誕生しました。彼の母親は、大乗坊長勝の娘であり、家族のつながりは豊かでした。忠次は鍋島清久のひ孫でもあり、家系上は次男ではありますが、実際には兄である土佐守忠高が養子であったため、忠次が嫡男と見なされています。

軍事活動

1535年、忠次は永禄6年（1565年）に重要な戦闘で先鋒を務めることが決まりました。この戦闘は、主君である龍造寺隆信が肥前国の三根郡にあたる中野城を攻略する際のものでした。忠次は、嫡男である源次郎忠修、次男安芸守信忠と共に戦に出陣しました。忠次の嫡男源次郎は、普段は隆信の馬廻りを担っていましたが、父の隊に参加し、戦闘の初めにおいて一番槍の武勲を挙げるも、残念ながら討ち死にしてしまいました。

忠次もまた、その悲劇を背負いながら敵陣に果敢に突入し、源次郎と同じ運命を辿ります。二人の奮闘によって、中野城攻略の道が開けたと伝えられています。

後の影響

源次郎の戦死を非常に悲しんだ隆信は、元亀元年（1570年）に忠次の外孫である石井新五左衛門常永に対して、源次郎の菩提を弔うための菩提寺、妙玉寺の創建を命じました。この寺は、浄円寺の境内にあった忠次の持仏堂を独立させたものであり、開基は忠次とされています。忠次と彼の家族に対する隆信の厚い信仰心がうかがえる出来事です。

参考文献

忠次に関する情報源としては、次の文献が有名です。

• - 『北肥戦誌（九州治乱記）』（青潮社刊）
• - 『石井系譜』（佐賀県立図書館所蔵）

石井忠次の人生は、戦国時代の動乱の中で家族の絆や忠義の重要性を示し、歴史の中でその存在が忘れられないものとなっています。

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