石井邦生

石井邦生

石井邦生（いしい くにお、1941年10月20日 - ）は、日本の囲碁棋士。福岡県うきは市出身。日本棋院関西総本部所属、細川千仭九段門下。九段。元院生師範。

経歴

1953年に細川千仭九段に入門。翌年、日本棋院院生となり、1956年に入段。関西学院大学を中退後、1968年に八段に昇段。

1969年の新鋭トーナメント戦では準優勝。1973年と1974年には本因坊リーグ入りを果たしました。1977年には碁聖戦リーグ入り。1978年に九段に昇段。

1979年、棋聖戦九段戦で準優勝。最高棋士決定戦ではベスト4に進出しましたが、準決勝で橋本昌二に敗れました。1982年と1990年には名人リーグ入り。1990年には藤沢秀行、淡路修三を破るも、2勝6敗で陥落。1992年の棋聖戦最高棋士決定戦では、1回戦で王立誠に敗れました。1993年の棋聖戦九段戦では3位となり、最高棋士決定戦では1回戦で上村陽生に勝利するも、2回戦で大竹英雄に敗退。

日中囲碁交流では、1973年と1983年に訪中団に参加。1984年の日中囲碁決戦では宋雪林に勝利。1988年には曹大元に敗れました。1992年には応昌期杯世界プロ囲碁選手権戦に日本代表として出場しましたが、1回戦で王銘琬に敗退。2001年の世界囲碁選手権富士通杯では、1回戦で李昌鎬に勝利しました。

また、20歳から50歳までの30年間、日本棋院関西総本部の院生師範を務め、坂口隆三、後藤俊午、山田規三生らを育成。1994年にはNHK教育テレビ囲碁講座の講師を担当。1995年からは、解説者を務めていた「ミニ碁一番勝負」で5人抜きを達成した井山裕太を弟子として育成しました。

2013年には、第3回エステー&フマキラー囲碁マスターズカップに出場し、武宮正樹、片岡聡、山城宏らタイトル経験者を破り、71歳にして準優勝を果たしました。

2016年2月1日、公式戦1000勝を達成。74歳での達成は工藤紀夫の記録を上回る史上最年長記録となりました。

井山裕太との出会い

1996年の冬、「ミニ碁一番勝負」で当時6歳だった井山裕太と出会いました。石井は井山の才能に驚き、弟子入りを希望。7歳になった井山を弟子に迎えました。当初はネット碁を通じて指導を行い、その後、関西総本部での対面指導も行いました。石井は井山の才能を伸ばすために、書簡でのやり取りや詰碁の本を活用し、自ら考えさせる指導を心掛けました。

井山は小学3年生で関西総本部の院生となり、小学6年生の頃には石井と互角に打てるほどに成長。平成13年度には入段を果たしました。その後、井山は数々の最年少記録を塗り替え、囲碁界初の七冠を達成するなど、日本を代表する棋士となりました。

主な棋歴

新鋭トーナメント戦 準優勝（1969年）
棋聖戦 九段戦準優勝（1979、92年）
エステー&フマキラー囲碁マスターズカップ 準優勝（2013年）
名人戦リーグ2期
本因坊戦リーグ2期
碁聖戦リーグ1期

日中囲碁交流

1973年 6-1
1983年 4-3
1984年 2-1 宋雪林
1988年 0-2 曹大元

顕彰等

棋道賞 技能賞（1973年）
松原賞（1977、80年）
大倉喜七郎賞（2012年）

棋譜

2001年4月14日 世界囲碁選手権富士通杯 黒 石井邦生 白 李昌鎬 135手まで・以下略 219手完黒中押し勝ち

関連書籍

松尾鍾一『現代囲碁大系(15) 瀬川良雄/久井敬史/石井邦生/炭野恒廣/橋本誼』講談社 1984年
『わが天才棋士・井山裕太』集英社 2009年

外部リンク

* 日本棋院関西総本部の石井邦生紹介

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