石原周夫

石原周夫（いしはら かねお）は、1911年11月19日に広島県御調郡美ノ郷村（現在の尾道市）で生まれ、1983年12月27日に亡くなった日本の大蔵官僚です。彼は、旧制第一高等学校、東京帝国大学法学部法律学科を卒業後、高等試験行政科に合格し、1934年に大蔵省に入省しました。

大蔵省では、預金部や大臣官房文書課に始まり、主計局の審査課長、法規課長、企画課長、調査課長などを歴任しました。1948年には主計局総務課長兼調査課長、同年には主計局第二部長兼主計官、1949年には主計局次長へと昇進しました。1950年にはアメリカへの出張も経験しています。1953年には保安庁経理局長に就任し、1955年には大臣官房長、1957年には主計局長に就任しました。そして、1961年には大蔵事務次官に就任し、1962年には関税局長事務取扱も兼務しました。

石原は、同郷の池田勇人首相の下で、高度経済成長政策を推進しました。退官後は、日本開発銀行総裁に就任し、海外経済協力基金総裁や国土総合開発審議会長なども務めました。また、東京電力副社長、電気事業連合会理事長も歴任しました。彼の兄である石原武夫もまた、通商産業事務次官を務めた官僚であり、父の石原磊三は内務官僚で警視庁官房主事を務めていたという官僚一家でした。

石原は、経済学者ジョン・メイナード・ケインズの代表作『雇用・利子および貨幣の一般理論』を杉山知五朗と共同で翻訳し、出版しました。また、憲法や行政法に関する書籍も執筆しており、彼の学識の深さを示すものとなっています。

石原周夫は、大蔵官僚として日本の経済発展に大きく貢献し、退官後も様々な要職を歴任した人物でした。彼の業績は、日本の官僚制度における重要な一例として、後世に語り継がれるべきでしょう。

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