石垣島地方気象台

石垣島地方気象台について

石垣島地方気象台は、沖縄県石垣市に所在する地方気象台で、八重山地方（八重山列島）の気象観測を管轄しています。この気象台は、予報業務、観測業務、地震・津波業務を主な業務としており、多岐にわたる観測活動を通じて地域の気象状況を把握し、防災に貢献しています。

観測業務の詳細

石垣島地方気象台では、以下のような様々な観測業務が行われています。

地上気象観測: 気温、湿度、風向、風速などの基本的な気象要素を観測します。
生物季節観測: 植物の開花や動物の初鳴きなど、季節の変化を生物の活動を通して観測します。特に、イワサキクサゼミやリュウキュウクマゼミの初鳴き、サシバの南下初見、ヒカンザクラ、デイゴ、リュウキュウコスミレの開花など、八重山地方特有の生物の観測に力を入れています。
地域気象観測（アメダス）: 地域内の複数地点で気象データを自動的に観測するシステムです。
高層気象観測: ラジオゾンデと呼ばれる観測機器を用いて、上空の気温、湿度、風向、風速を観測します。
レーダー気象観測: 電波を用いて雨雲や降水量を観測し、気象状況を把握します。沖縄県最高峰の於茂登岳には、気象レーダー観測所が設置されています。
精密日射放射観測: 太陽からの日射量や放射量を精密に測定します。
大気バックグラウンド汚染観測: 大気中の汚染物質の濃度を観測し、環境汚染の状況を把握します。この観測は与那国島特別地域気象観測所で行われています。

管轄下の観測所

石垣島地方気象台は、沖縄気象台の管轄下にあり、西表島と与那国島に特別地域気象観測所を、石垣島、西表島、波照間島には地域気象観測所を設置しています。

西表島特別地域気象観測所
与那国島特別地域気象観測所
地域気象観測所: 石垣島（伊原間、川平）、西表島（大原）、波照間島

百年観測所としての認定

石垣島地方気象台は、1897年から現在地で観測を続けており、2017年5月には世界気象機関（WMO）から「百年観測所」として認定されました。これは、100年以上にわたり同じ場所で気象観測を継続している観測所を認定するもので、日本では初の認定となりました。2018年12月5日には、認定プレートが設置されています。

歴史

石垣島地方気象台は、その歴史の中で幾度かの変遷を経て現在に至っています。

1896年12月5日: 中央気象台附属石垣島測候所として創立。
1897年5月1日: 現在地に庁舎を新築し移転。
1946年1月15日: 琉球列島米国軍政府八重山支庁逓信部の附属機関となり、八重山気象台に改称。
1946年2月22日: 日本の中央気象台の監督下に移管され、石垣島測候所に改称。
1972年5月15日: 沖縄の本土復帰に伴い、石垣島地方気象台に改称。
2017年5月: 世界気象機関（WMO）から「百年観測所」に認定。

その他の情報

アメダス観測所: 石垣市新川（石垣地方気象台内）、石垣市平久保、竹富町黒島、竹富町大原、竹富町船浮、竹富町波照間、与那国町久部良、与那国町祖納（与那国特別地域気象観測所内）
震度観測: 石垣市新川、石垣市平久保、竹富町黒島、竹富町大原、竹富町船浮、竹富町波照間、与那国町久部良、与那国町祖納
地震観測: 石垣市新川、石垣市平久保、竹富町黒島、竹富町船浮、竹富町波照間、与那国町久部良、与那国町祖納
潮位・津波観測: 石垣、与那国

外部リンク

* 石垣島地方気象台

石垣島地方気象台は、八重山地域の気象観測において重要な役割を担っており、その長年の観測データは、地域の防災や気候変動の研究に不可欠な情報源となっています。

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