石川成之

石川成之

石川成之（いしかわ なりゆき / しげゆき）は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて活躍した人物で、伊勢亀山藩の第11代、そして最後の藩主です。石川家16代当主でもあります。

生涯

安政2年（1855年）6月24日、第8代藩主・石川総紀の六男としてこの世に生を受けました。幼少期はどのような環境で育ったのか、詳しい記録は残っていませんが、藩主の息子として、将来を嘱望される存在であったことは想像に難くありません。

慶応元年（1865年）、兄で第10代藩主であった石川総脩が若くして亡くなったため、その跡を継ぎ、11歳という若さで藩主の座に就くことになりました。この時、総脩の養子となっています。

藩主となった成之を待ち受けていたのは、激動の時代でした。慶応4年（1868年）に勃発した戊辰戦争では、譜代大名であった亀山藩もその影響を大きく受けました。藩内は尊王派と佐幕派に分裂し、対立が激化。成之は当初、旧幕府側につきましたが、情勢を鑑み、最終的には官軍に恭順しました。しかし、この行動が新政府から旧幕府に協力したと見なされ、桑名藩や鳥羽藩への出兵、さらには東征への参加を余儀なくされることになりました。

明治2年（1869年）には版籍奉還が行われ、成之は亀山藩知事に任命されます。しかし、明治4年（1871年）の廃藩置県により、知藩事職を免ぜられ、藩主としての立場を失いました。その後、明治5年（1872年）に家督を養子の石川成徳に譲り、隠居生活に入ります。

明治11年（1878年）6月21日、父である総紀に先立ち、24歳という若さでこの世を去りました。

人物

若くして藩主となり、激動の時代を生き抜いた成之ですが、その人物像を具体的に示す資料は多くありません。しかし、戊辰戦争における対応や、その後の新政府の方針に従わざるを得なかった状況から、激動の時代に翻弄されながらも、藩主としての責任を果たそうとした姿がうかがえます。

系譜

実父：石川総紀
養父：石川総脩
* 養子：石川成徳（石川鶴翁の四男）

補足

石川成之は、その短い生涯の中で、藩主として、また一人の人間として、時代の変化に立ち向かわざるを得ませんでした。彼の生きた時代を理解することは、日本の近代史を理解する上で非常に重要です。

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