石川県立中島高等学校

石川県立中島高等学校

石川県立中島高等学校は、かつて石川県七尾市中島町浜田に位置していた公立高等学校です。2010年3月末、石川県立七尾東雲高等学校との統合に伴い、惜しまれつつ閉校しました。

特色

中島高校は普通科の中に、ユニークな「演劇コース」を設置していました。普通コースの生徒は主に七尾市内から通学していましたが、演劇コースの生徒は七尾市内や中能登地区だけでなく、加賀地区・金沢地区・奥能登地区など遠方からもホームステイ制度を利用して通学していました。学校周辺の住宅がホームステイを受け入れており、生徒たちは地域に根ざした生活を送りながら演劇を学んでいました。2005年の学区制撤廃と始業時間の繰り下げにより、金沢地区からの鉄道通学も容易になり、さらに広範囲からの生徒を受け入れていました。

演劇コースは、全国的にも珍しい「演劇」を専門的に学べるコースでした。「理数英国社」といった一般科目に加え、「演劇表現」や「ダンス」、「郷土芸能」（和太鼓や能楽）など、他校にはない特色ある授業が展開されていました。毎年6月頃には、3年生が能登演劇堂で卒業公演を行い、2年半の演劇学習の集大成を披露していました。シェイクスピア劇や西遊記など、クラス全員で取り組む舞台は、学校を代表する一大イベントとして地域にも親しまれていました。

沿革

1963年（昭和38年）4月1日 - 石川県立七尾高等学校中島分校として開校。
1968年（昭和43年）3月12日 - 校舎を現在地に移築。
1969年（昭和44年）4月1日 - 石川県立中島高等学校として独立。
2000年（平成12年）4月1日 - 普通科に演劇コースを新設。
2008年（平成20年）4月1日 - 石川県立七尾東雲高校との統合により募集停止。
2010年（平成22年）3月31日 - 閉校。

学校行事

中島高校では、入学式、卒業公演、学校祭など様々な行事が開催されていました。特に、能登演劇堂での卒業公演は、演劇コースの生徒たちの集大成として、地域住民にも広く親しまれていました。また、演劇コースの生徒を中心に、周辺の老人ホームや文化施設などで寸劇やダンス、歌、太鼓演奏などを発表する活動も行っていました。

卒業公演

卒業公演は、演劇コースの生徒にとって3年間の学習の集大成となる舞台でした。2年生の2学期頃から台本を選び、練習に取り組みます。クラス全員が出演するこの公演は、中島高校最大の学校行事として、地域からも大きな期待が寄せられていました。

過去の演目

平成19年度公演（第6回）「ハーメルンの笛吹き」
平成18年度公演（第5回）「天空の彼方へ」
平成17年度公演（第4回）「銭湯は踊る」
平成16年度公演（第3回）「十一ぴきのネコ」
平成15年度公演（第2回）「センポ・スギハァラ」
平成14年度公演（第1回）「夏の夜の夢」

生徒会・部活動

生徒会は、学校祭などのイベントの企画や、中島駅の清掃活動などを行っていました。部活動では、ダンス部、演劇部、陸上部、合唱部などが活発に活動していました。

アクセス

のと鉄道七尾線能登中島駅から徒歩3～5分と、比較的アクセスしやすい場所に位置していました。学区制廃止後は、金沢方面からの通学も可能になり、より広範囲から生徒が集まっていました。

著名な関係者

辻口博啓 - パティシエ

関連項目

石川県高等学校の廃校一覧
* 無名塾

中島高校は閉校しましたが、演劇を通じた教育は、卒業生たちの心に深く刻まれ、それぞれの道で活躍する彼らを支え続けています。

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