石川総乗

石川総乗（いしかわ ふさのり）は、江戸時代前期に活躍した旗本であり、貞當系石川家、通称大島石川家の三代目当主です。

寛文3年（1663年）に、石川義當の嫡男として生を受けました。延宝2年（1674年）7月18日には、将軍徳川綱吉に拝謁を果たし、元禄12年（1699年）8月には御小姓並に取り立てられました。同年12月5日には、父である義當の致仕に伴い家督を相続し、正式に小姓として幕府に仕えることとなります。

その後、元禄15年（1702-3年）12月3日に従五位下・備中守に叙任されました。この後、小姓組番頭、御書院番頭と順調に昇進を重ね、享保4年（1719年）7月には伏見奉行に任命されます。しかし、その翌年の享保5年（1720年）5月24日に病のためこの世を去りました。彼の死後、幕府の命により、跡目は弟である信澄が下條信隆の養子となっていたため、彼が継承することになり、その際、諱を総因と改めました。

総乗の正室については、『寛政重修諸家譜』では遠藤常友の娘、後室を京極高和の養女としていますが、本稿では『石川家譜難波録』の記述に従っています。それによると、京極高豊の姪の没年は元禄2年（1689年）、遠藤常友の娘の没年は元禄8年（1695年）と記録されています。

石川総乗は、武士としての職務を忠実に果たし、幕府からの信頼も厚かった人物であったと考えられます。彼の生涯は、江戸時代の旗本の典型的なキャリアパスを示すものと言えるでしょう。

参考文献
『新訂 寛政重修諸家譜 第3』続群書類従完成会、1981年
『石川家譜難波録』

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