石徹白の大杉

石徹白の大杉（いとしろのおおすぎ）

概要

石徹白の大杉は、岐阜県郡上市に位置する、樹齢1800年以上と推定される巨大なスギの古木です。その存在は、白山信仰の修験道である美濃禅定道の道標としての役割も果たしてきました。伝説によれば、泰澄上人が白山を開山した際に使用した杖が、この大杉になったと伝えられています。

この大杉は、樹高24メートル、幹囲目通り14メートルという堂々たる姿を誇ります。かつては日本有数のスギの大木として知られていましたが、現在では幹の半分が枯れてしまっています。しかし、残りの半分は今もなお力強く生き続けており、その生命力は訪れる人々に深い感動を与えます。

1924年（大正13年）12月9日に、その貴重さから国の天然記念物に指定され、その後、1957年（昭和32年）7月2日には、より厳重な保護が必要なものとして、国の特別天然記念物に指定されました。この大杉は、白山国立公園内に位置しており、その自然景観の一部として、非常に重要な存在となっています。

歴史

石徹白の大杉は、古くから白山信仰と深く結びついてきました。美濃禅定道の道標として、多くの修験者がこの大杉を目印に白山を目指したとされています。樹齢が長いことから、この大杉は多くの歴史を見守ってきた証人とも言えるでしょう。縄文杉が発見されるまでは、日本有数のスギの大木として知られていました。

アクセス

石徹白の大杉へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、長良川鉄道越美南線の美濃白鳥駅から郡上市自主運行バス（白鳥地域）に乗り換え、終点「上在所」停留所で下車します。そこから白山登山道を徒歩で約2時間進むと、大杉に到着します。

登山道であるため、ある程度の登山装備が必要になります。かつては国鉄バス大野線が運行していましたが、現在は廃止されています。白山中居神社先の白山美濃禅定道（南縦走路）の登山口には、駐車場、休憩用の東屋、トイレなどが整備されています。駐車場から大杉までは、距離にして約300メートル、標高差にして約90メートルあり、420段の石とコンクリートでできた階段が設置されています。

自動車でのアクセスは、東海北陸道の高鷲インターチェンジが最寄りですが、南から来る場合は白鳥インターチェンジを利用する方が便利な場合もあります。

周辺環境

石徹白の大杉がある石徹白地区は、かつて福井県大野郡に属していましたが、1958年（昭和33年）に岐阜県郡上郡に編入されました。大杉のすぐ北側には、熊清水と呼ばれる湧水があり、周辺は美しいブナ林が広がっています。

まとめ

石徹白の大杉は、その圧倒的な存在感と歴史的な背景から、多くの人々を魅了し続けています。白山信仰の象徴として、また自然の驚異として、これからも大切に保護されていくことでしょう。訪れる際には、その壮大さと歴史を感じながら、静かにその姿を鑑賞してください。

関連情報

所在地: 岐阜県郡上市
指定: 国の特別天然記念物
樹高: 24メートル
幹囲: 14メートル
推定樹齢: 1800年以上
周辺: 白山国立公園内
その他: 熊清水、ブナ林

参考文献

林正一『北陸と白山の山』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイド〉、2000年8月、75-79頁。ISBN 4-635-01321-9。

関連項目

スギ
植物天然記念物一覧
白山国立公園

外部リンク

石徹白のスギ - 国指定文化財等データベース（文化庁）
石徹白の大杉 - ウェイバックマシン（2004年7月8日アーカイブ分）
国土地理院 地図閲覧サービス（石徹白のスギ）

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