石清水八幡宮駅

石清水八幡宮駅 / ケーブル八幡宮口駅

京都府八幡市に位置する石清水八幡宮駅は、京阪電気鉄道の京阪本線が乗り入れる主要駅です。また、ほぼ同じ場所に隣接して、石清水八幡宮参道ケーブル（鋼索線）のケーブル八幡宮口駅があります。両駅は石清水八幡宮への主要な玄関口としての役割を担っており、特に信仰の対象である同宮への参拝客によって年間を通して賑わいを見せます。駅番号は京阪本線がKH26、鋼索線がKH80です。

石清水八幡宮へのアクセスを担うケーブル線への乗り換え拠点であり、駅前にはバスターミナルも整備されています。しかし、八幡市内の多くのバス路線は樟葉駅を起点としており、市の人口重心も樟葉駅寄りの男山団地にあるため、当駅の乗降客数は樟葉駅と比較して約6分の1程度にとどまっています。駅は京阪本線の急行停車駅であり、大阪方面や京都方面への速達列車が停車します。特に正月三が日には、石清水八幡宮や伏見稲荷大社への参拝客に対応するため、急行が日中15分間隔で終日運行されるなど、臨時ダイヤが組まれます。

歴史

石清水八幡宮駅の歴史は古く、1910年（明治43年）4月15日の京阪本線開通と同時に八幡駅として開業しました。当初は相対式ホーム2面のみのシンプルな構造でしたが、次第に待避線が設けられ、島式2面4線の地平駅へと発展しました。かつては留置線や渡り線も備え、当駅を始終点とする列車も設定されていました。大晦日から正月にかけては、待避線に電車を停車させ、利用者向けの待合室として提供された時期もあります。また、600V電化時代には、変電設備の補強のため移動変電所が留置線に設置されるなど、重要な機能を担っていました。

駅名は幾度かの変遷を経ており、開業時の八幡駅から、1939年（昭和14年）に石清水八幡宮前駅、1948年（昭和23年）には八幡町駅と改称されています。会社合併により一時的に京阪神急行電鉄（現・阪急電鉄）の駅となった時期もありましたが、1949年（昭和24年）には会社分離により再び京阪電気鉄道の駅となりました。

鋼索線（男山鉄道）は1926年（大正15年）に八幡口駅として開業しましたが、資材供出のため一時廃止されました。その後、京阪電気鉄道により1955年（昭和30年）に男山駅として改めて開業し、1957年（昭和32年）には京阪本線の八幡町駅と名称が統一され、駅施設が統合されました。

1977年（昭和52年）の八幡町市制施行に伴い、駅名は八幡市駅に改称されました。長らくバリアフリー設備が不十分でしたが、2010年には4番線を撤去した跡地にエレベーターや多目的トイレが設置され、駅の利便性が向上しました。また、撤去された線路跡の一部は駐輪場として活用されています。かつては待避線が多く活用されていましたが、ダイヤ改正や隣接駅の設備の変化に伴い、待避線の使用は減少し、2016年には1番線も廃止・撤去されました。

2019年（令和元年）10月1日、京阪本線と鋼索線の駅が再分離され、京阪本線の駅は石清水八幡宮駅、鋼索線の駅はケーブル八幡宮口駅へとそれぞれ改称されました。

駅構造

石清水八幡宮駅（京阪本線）とケーブル八幡宮口駅（鋼索線）の駅舎は独立しており、乗り換えには一度改札外に出る必要があります。

京阪本線（石清水八幡宮駅）

地上駅で、相対式ホーム2面2線を有しています。駅舎は、エジソンの白熱電球をイメージしたテント状の上屋や、八幡の竹をイメージした緑色のLED照明など、特徴的なデザインが採用されており、パナソニックグループとの共同検討によりLED照明が多数設置されています。駅舎（改札口）は大阪方面行きホームの東側に位置しており、初詣などの多客期には京都方面行きホーム西側に臨時改札口も開設されます。

ホームは8両編成に対応する有効長がありますが、カーブしている箇所があります。大阪方面行きホーム（3番線）には、転落検知マットや足下灯が設置されています。かつて存在した1番線（上り待避線）は現在撤去されていますが、ホーム番号は繰り上げられていません。

鋼索線（ケーブル八幡宮口駅）

櫛形ホーム2面1線を持つ駅です。通常は乗車用ホームのみが使用されますが、正月三が日などの混雑時には降車用ホームも使用され、乗車待ちのための広いスペースや仮設の臨時出札口も設けられます。駅舎に併設してトイレがあります。

利用状況

2023年度の特定日における1日の平均乗降人員は7,632人でした。樟葉駅と比較すると利用者は少ない傾向にありますが、石清水八幡宮への参拝客を中心に一定の利用があります。

駅周辺

駅北側には大谷川が流れ、さらに北には木津川が流れています。駅の周囲は住宅地が中心ですが、商店も点在しています。駅周辺には、航空安全を願う飛行神社や、映画のロケ地として知られるたこ焼き店「いっちやん」などがあります。駅南側には男山（鳩ヶ峰）がそびえ立ち、山頂には石清水八幡宮が鎮座しています。

駅東側のロータリーには京阪バスの停留所があり、八幡市内の各方面へ向かうバス路線が発着しています。一部の路線は、過去に京阪バスが運行していた路線の代替となるコミュニティバスです。

隣の駅

京阪本線では、淀駅始終着の一部の急行を除き、隣の停車駅は京都方面が中書島駅、大阪方面が樟葉駅となります。普通列車や準急は橋本駅の次に停車します。

鋼索線（石清水八幡宮参道ケーブル）は、当駅（ケーブル八幡宮口駅）とケーブル八幡宮山上駅を結んでいます。

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